「総合学習」の接続の形とは
「未来I」では、小学校との「接続」をスムーズに行うことも考慮している。同校研究部の原田尚孝先生は次のように話した。
「本校には多くの小学校から生徒が入学してきます。当然、「総合学習」に対する学習経験も、生徒によって大きな差があります。そこで'00年度は新入生を対象に『小学校での学習内容についてのアンケート』を実施しました。そして「未来I」前期の班編成では、特にコンピュータ操作と調査活動の経験豊富な生徒とそうでない生徒ができるだけ均等に配置されるように工夫しました」
確かに同校の取り組みは、中学校の中でもかなりハイレベルだと言える。だが決して特異な例というわけではない。一般に中学校は「総合学習」の活動に早くから着手している学校が多く、研究も進んでいる。
では、高校はそんな中学校での「総合学習」をどのように継続していくべきか。熊本高校の松下勝之先生は、英語に関する中高接続の研究を同校と共同で行い、「未来」活動にも注目している。
「熊本大教育学部附属中学校の『総合学習』の方法論は非常に完成度が高いですね。基本的には高校もその方法論を学び、踏襲していくことが大事です。でも高校は、できればもう一歩踏み出したい。そのときポイントになるのは、高校生独自の発想を大切にすることだと思います」
中学校の「総合学習」はグループ活動が中心で、同校でも個人レポートの作成はあるが、基本はグループだ。松下先生は、高校ではより個人の課題研究に移行するべきではと語る。
「これからの大学や社会で求められるのは、その人ならではの独自の視点や発想です。それを磨くのが、高校の『総合学習』ではないかと思います」
中学校が「総合学習」に関してどんな方法論を確立しつつあるのか。「総合学習」の中高接続は、それを把握することから始まるといえそうだ。
創造的技能一覧(抜粋)
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熊本大教育学部附属中学校教諭
原田尚孝
Harada Naotaka
教職歴17年。同校に赴任して3年目。
担当教科は英語科。研究部に所属。
「プラス思考で行動すること」をモットーとし、
「楽しく力の付く授業」を目指す。
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