高・大……大学入試改革の現状と今後の展望
AO入試により 高・大の接続はどう変わっていくのか
AO入試の現状概況
国公立大におけるAO入試は、'00年度に東北大・筑波大・九州大・岩手県立大の4大学が先鞭をつけると、'01年度は4大学が加わり、さらに4大学が'02年度からの導入を予定している(表1)。ベネッセコーポレーションが独自に実施した、AO入試を実施している国公立大への訪問ヒアリング調査の結果を見ると、どの大学も「一般入試(学科試験)では発見することが難しい、入学後に各学部で成長しそうな適性と意欲」を持った学生の確保という、AO入試の主なねらいは概ね達成できたと判断しているようである。
しかしその反面、期待するほどには志願者数が増えていないことから、大学はAO入試に対する高校側の理解が得られていない点、つまり大学側からの発信不足を重大な問題点として認識している。そのため高校・大学双方にとって望ましいAO入試を構築すべく、大学側の模索が続いている。例えば岩手県立大では、AO入試を「面接」ではなく「面談・対話」形式で行っている。面接が苦手な訥弁タイプの受験生でも、落ち着いて自分の考えを自分の言葉で語ることができ、選考する側も受験生の適性や意欲を多角的にじっくりはかれる点が最大のメリットだ。山口大でも同様に「対話型」形式の導入を予定しているが、さらに思い切った方式を採用したのが九州大である。
表1 AO入試を導入または導入予定の国公立大
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年度 |
大学名 |
'00年度 |
東北大、筑波大、九州大、岩手県立大 |
'01年度 |
北海道大、福井大、公立はこだて未来大、宮城大 |
'02年度 |
静岡大、京都工芸繊維大、広島大、山口大 |
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('01年4月末現在。'02年度はすべて予定)
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