国際協力において大事なことは
物やお金を援助するだけでなく
互いに何を学べるかだと思います
死、病、貧困、差別などの現実に直面する度に、どうしてこんなひどい現実の中で、ジンバブエの人たちは笑っていられるのか、ずっと不思議でした。2年間、答えを探し続け、そして分かったような気がします。
――泣き続けても、座り込んでも、現実が変わらないなら、それを受け止め、負けないことが大切なんだ。笑って済むなら、笑い飛ばしておきなよ――
教え子の中に一人、ずば抜けて身体能力の高い生徒がいました。彼女は貧しい村に生まれ、幼いときに両親を亡くした孤児でしたが、村の人々の手によって育てられ、ジンバブエ初のスポーツ奨学生として高校に通っていました。グラディス・ピリという名のその少女はある日、私にこう言いました。「私は自分一人の力で生きてきたのではないことを知っています。だから私はこの先一生、絶対に人として間違った生き方はしません」。
私はあの人たちの強さ、優しさ、純粋さから、本当に多くの生きていく上で大切なことを教えてもらいました。だから、私はNGOの活動を援助ではなく、互いに学び、支え合う相互支援だと思っています。いつの日か、私もあの優しくてたくましい笑顔で笑える人になりたいですね。
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