VIEW21 2001.09  新課程への助走
 週5日制に向けたカリキュラム編成の試み(1)

週5日制に向けた
カリキュラム編成の試み(1)

 '03年度新課程も視野に入れた'02年度週5日制への対応準備はもはや待ったなしの状況を迎えている。中でも、カリキュラムの決定に大きくかかわる1コマの時間数を、45分、65分、85分などいくつものパターンが考えられる中でどのように設定するかは、各校にとって重要な検討課題といえる。今回は45分授業でのカリキュラムを既に実施、または検討している高校を中心に、その取り組み状況と背景を分析する。


事例1

島根県立松江北高校の場合

 松江北高校では週5日制、及び新課程への移行を鑑みて、'02年度から45分授業による1日7校時の展開を計画している。同校の鞁嶋弘明校長に、その結論に至った検討の経緯を伺った。

「教育の基盤は生活指導」
その観点から実技教科のコマ数を確保

 新カリキュラム編成の経緯を語るに当たって、鞁嶋校長は「本校は創立以来125周年を迎えましたが、一貫して質実剛健の伝統を受け継ぎ、文武両道の精神を重んじた人間育成を教育目標としています。この目標は教育環境がどれほど変化しても、今後も変わることなく達成していかねばなりません。それがカリキュラムを検討する前提です」と断言した。
 週5日制に関しては、大学進学指導を強く意識している学校ほど授業時間の減少に対しての危機感が強い。結果的にカリキュラム編成に当たっては、大学入試に必要とされる教科が偏重され、その分、保健体育・芸術・家庭科などの実技教科の単位を削減する方向に進んでしまう傾向がみられる。鞁嶋校長は「その考え方は非常に危険です」と指摘する。


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