校内での検討プロセスの確立
「総合学習」を創り上げる 検討の手順とは
「総合的な学習の時間」の導入に当たっては、まず実施に至るまでに必要な手順を整理し、その一つひとつのステップに沿って、慎重に校内検討を重ねることが大切である。高等学校長の経験があるベネッセ文教総研のアドバイザリースタッフに、「総合的な学習の時間」の校内検討における留意ポイントを聞いてみた。
「総合的な学習の時間」(以下「総合学習」)については、「生きる力」を育てる活動として、また学校活性化の好機として積極的に取り組みたいという声が最近は多く聞かれるようになった。
しかし、一方で「国立大のセンター試験5教科7科目でそれどころではない」「学校内の足並みを揃えるのが難しい」「独自性をどのように出せばいいのか」「教師に今まで以上の負荷がかかるのではないか」といった疑問、不安の声は今も少なくない。その不安は、実施までにどのようなプロセスを踏めばいいのか分からないという点にも起因しているようだ。
「総合学習」に限らず、学校に新しい取り組みを導入する際は、実施に至るまでのプロセスが全教師に明確であることが非常に大切である。そこで、「総合学習」の検討プロセスを9つのステップ(下表参照)に図式化し、その中で特に各校共通で重要と思われるStep1~4、9の5つの段階に関して、効果的かつ効率的に進める方法を考えてみたい。
『総合学習』実施に至るまでのプロセス
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ベネッセ文教総研アドバイザリースタッフ
城本和博
Shiromoto Kazuhiro
熊本県立八代南高校校長、同県教育委員会学校人事課教育審議員、同県立熊本北高校校長などを歴任。
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ベネッセ文教総研アドバイザリースタッフ
薄 健吾
Susuki Kengo
福岡県教育庁参事兼単位制高等学校設立準備室長、同県立光陵高校校長、筑紫高校校長などを歴任。
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