週5日制に向けた カリキュラム編成の試み(2)
週5日制のねらいを真に実現するには、学期制・授業時間・単位数の設定などを学校全体で熟考し、適切に判断する必要がある。カリキュラム編成の校内検討が深まっている高校には共通点があり、それは新課程実施を「学校を改革する好機」と捉えていることである。
前号では45分授業を検討している学校の事例を中心に報告したが、今号では別の切り口から学校改革に取り組む先進校を紹介する。
事例1
福岡県立小倉高校の場合
小倉高校では医学部における理科3科目入試の動きに対応し、'01年度の新入生から、2・3年次の理系コースを新たに「理系Iコース(理科2科目必修)」5クラスと、「理系IIコース(理科3科目必修)」1クラスに分けている。また、'02年度からは「時間割上の2学期制」、「1学期中間考査の臨時考査への変更」などの実施を予定している。これらの改革の背景とねらいについて話をうかがった。
同校では「理系IIコース」だけではなく、全体としてセンター試験5教科7科目実施に対応できるカリキュラムを作成している。既に'03年度カリキュラムも作成済みで、職員会議の了承も得た上で、引き続きその運用上の課題検討を進めている。
「最も厳しい状況を想定して作成しました。こうしておけば、理系で地歴・公民が、あるいは文系で理科が1科目でよくなったなどの変更が生じても、柔軟に対応できますから」と語るのはカリキュラム検討の中心メンバーの一人、池田好夫先生である。多くの高校が'02年度のカリキュラム作成にも苦慮する中、同校の検討、判断の早さは出色と言える。
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