VIEW21 2001.10  新課程への助走
 週5日制に向けたカリキュラム編成の試み(2)

「地域の期待に応える」
その使命感が改革の原動力に

 西川信次教務主任は、積極的な改革推進の原動力をこう説明する。
 「背景には学区内の人口減少という切実な問題があります。中学生の数が減少し、この北九州地区でも現在、学区再編の動きがあります。一方で、大学入試改革など大きな教育改革の波が押し寄せています。どの高校がこの変化に適切に対応し、最も質の高い教育環境を提供してくれるのか、保護者も真剣に見つめています。地域の期待に応える高校であり続けることは生半可なことではないと、教師全員が強い危機感を持っていました」
 情報処理室長である井上哲秀先生もこう語る。
 「本校は医学部志望者が少なくありません。医学部が入試に理科3科目を課す以上、それにきちんと対応できる体制にすることは当然です。小倉高校で一生懸命勉強すれば、どの大学・学部にでも進学できる、そう自信を持って言い切れるカリキュラムの構築が不可欠でした」
 『教育課程検討委員会』(以下「検討委」)の活動は、各教科のコンセンサスを得るために非常に有効であった。「検討委」は30歳代の教師を中心に、各教科、各分掌、各学年のバランスを意識して構成されている。「検討委」では様々な改革案を全員で徹底的に検討し、その上で、各メンバーが自分の担当教科に持ち帰り、自分以外の教科担当者が納得できるように、自分の言葉で説明するのである。結論だけが降りてくるのではないため、教科間の意思統一を図りやすくしているのが最大の特徴だ。
 「構成員が若いせいかフットワークが良く、意見の取りまとめも早いのです」(西川先生)

表1

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