VIEW21 2001.12  新課程への助走
 週5日制に向けたカリキュラム編成の試み(3)

週5日制に向けた
カリキュラム編成の試み(3)

 '02年度カリキュラムの編成は、現在最終的な運用上の課題チェックに入っている。週5日制実施へ向けた各校の対応は次の三つに大別できるようだ。
(1)自校のSI(スクールアイデンティティ)に基づき、大学入試の実情を踏まえた現実的な対応を考えるパターン
(2)週5日制への対応を契機に、大胆な学校改革を目指すパターン
(3)独自に進めてきた学校改革の流れの中で、週5日制を捉えるパターン
 今号では、それぞれのパターンについての代表的な事例を紹介する。

事例1

北海道函館東高校の場合

 函館東高校は、週5日制への移行に対応すべく、'02年度から現状の3学期制を2学期制に、50分授業×6コマだった時間割を45分授業×7コマに改める。このカリキュラムの策定に伴って、どのような検討が行われたのか、同校のカリキュラム委員会メンバーである佐藤敏行、鈴木隆之両先生に伺った。


伝統の校風を守りつつ
大学入試に対応したカリキュラムを作成

 「本校では当初、現状の50分授業をベースにした'02年度カリキュラムをほぼ決定していました。しかし、国立大がセンター試験を原則5教科7科目で実施するという方向性が見えてきたため、急ぎ再検討を余儀なくされたのです」と教務主任の佐藤敏行先生は振り返る。
 「当初のカリキュラム案では、理系の地歴を選択制にするなど、新たに打ち出された大学入試の改革案に十分対応できませんでした。『文武両道』を掲げる本校では、部活動や生徒会活動が非常に盛んです。そのため、再検討に当たっては、授業時数の確保が問題となりましたが、いくら教科対策が必要だとは言え、課外活動の時間を犠牲にするわけにはいきませんでした。検討の結果、終業時間をそれほど遅れさせずに済む45分授業×7コマが選択肢として残りました。また、授業時間数の減少に対しても、2学期制の導入で目処がつきました」


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