発表会を通して生徒同士や教師との交流を深める
研究成果は、A4・6ページ分の蛇腹折りシートにまとめ上げる。様々な色を使ったり、イラストを挿入したりするなど、生徒一人ひとりの個性が光る出来上がりとなっている。
「研究発表会には、保護者の方にも来ていただきました。広い会場なので新しい試みとして、会場の後ろで見えにくい人のために、外部サポーターの協力を得ながら発表シートをプレゼン用のソフトに移植し、プロジェクターでも同時に発表しました。評判も良かったですね」と語るのは2学年主任の阿久根健一郎先生だ。
こうした発表の方法に興味を示した生徒は、プレゼン用ソフトを使った新しい表現方法の習得に前向きな姿勢を見せたという。教科学習の苦手な生徒であってもこの課題には意欲を示し、自主的な取り組みをみせて優れた作品を作り上げている。これは、教科学習が不得意だった生徒に自信を持たせる結果にもつながったという。「『自分はこんなことを知っているんだ』『こんなことができるんだ』という自信につながるのですね。そして、やればできるという気持ちを起こさせ、結果的に通常の授業でも活発に手が挙がるようになりました」(阿久根先生)
ある生徒が別の生徒からもらった相互評価のカードには、「見やすくて歴史がよく分かった」「カラフルでいいねぇ~。うまい!」など相手のヤル気や表現能力を率直に評価する記述がなされていた。
小学校、高校ともコミュニケーションを深めて 夢と希望を育む学校に
生徒の将来への夢がかなえられるような学校にしていくため、同校では小学校、高校との連携も大切だと考えている。「私たちは、一か月に一回、地域の小学校との『連絡会』を開いています。小学校とコミュニケーションを図ることによって、進学時の連結をスムーズにし、一貫した教育を行うことがねらいです」(撫尾校長)
高校とも同様にコミュニケーションを取れることが理想だが、受験による進学の分散もあり、なかなか理想通りにはいかない。しかし同校では、理想を現実のものにするためのアクションを起こしている。3年生の「総合学習」の中で行った高校の1日体験を契機に、交換授業や教師間の交流などもできるように、将来的な発展のための話し合いが行われている。
「そのためには、テレビ会議やインターネットなどの新しいコミュニケーションツールも役に立つでしょう。実現したとき、学校は生徒にとってより価値のある学び舎になると思います。私は、学校を生徒に、将来への夢と希望を与えられる場所にしたいのです」(撫尾校長)
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