高校個性化時代の到来
学校裁量を拡大した2003年度新学習指導要領の影響もあり、自校の特色をより鮮明に打ち出した学校づくりへの気運が高まっている。「個性化とは?」「特色づくりとは?」全国の多くの高校でこれらの問いに確かな‘回答’を見いだそうと模索が始まっている。
加速する高校個性化の流れ
生徒の多様化や保護者のニーズの多様化が進み、学校教育においても「多様な選択肢」が求められるようになってきた。そこで、生徒が学校を主体的に選択できるよう、総合選抜制の廃止や学区の拡大など高校入試制度の見直しも進んでいる。
このような中で、「生徒や保護者に選ばれる学校になるためには、育てたい生徒像と教育目標を明確にし、スクール・アイデンティティを鮮明にして、自校の特色を生徒・保護者に打ち出していかなければ」という思いが学校の間で高まっている。
行政も、中高一貫制、単位制、総合学科など従来の教育の枠組みを越えた制度を次々と打ち出し、学校の多様化、個性化を推進している。
そこで今回は、こうした制度をうまく活用して個性化を図ろうとしている学校の事例として、今年度より都市部の公立進学校として初めて中高一貫校となった浜松西高校、岡山操山高校の2校と、1995年度より公立進学校としていち早く単位制となった奈良高校の事例を紹介する。
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