CAI室での生徒のコンピュータ利用を促進 今後はさらなる授業への活用
藤島高校のネットワークは、教師間だけではなく、生徒が利用するCAI室においても成果を上げている。CAI室には47台のコンピュータが設置され、授業等でのインターネット学習に活用されている。また、放課後には担当教師の許可の下、生徒に開放されている。
「情報企画室のメンバーのうち2名がCAI準備室に常駐し、部屋の管理やコンピュータの管理・運営、生徒からの質問などを受けています」(久守先生)
現在は、生徒一人ひとりがID登録され、誰でも利用できる体制が整っている。同校のホームページの中にある「生徒の部屋」の各部活動や、学校祭の紹介ページなどはこのCAI室から生まれた。作成するのはもちろん生徒たち。準備室が隣にあるため、技術的に分からないことがあればすぐに教師に聞くことができる。
CAI室の授業での活用については、「現代社会」での調べ学習や、「生物」の実験データの処理等にコンピュータが利用されているが、本格的な活用はまだこれからという状況。「今後は、CAI室にとどまらず、コンピュータ画像を各教室でプロジェクタに映し出して授業することにも関心があります」(沖村先生)。「総合的な学習の時間」や他教科への利用などについても、これからの展開が期待されている。
「インターネットを活用できる環境にあることを最大限に生かしたいですね。例えば、我が校の生徒が他校の生徒と特定のテーマについてネット上で討論する。こうした対外的なコミュニケーションの機会が与えられないかなと考えています。全国の高校生と交流できれば、生徒の視野もぐんと広がるのではないでしょうか」(川崎先生)
中学生向けのホームページ作成や 学内情報の統合化を目指す
スタートして間もない情報企画室。順調に機能しているとは言え、解決しなくてはならない新たな問題も生まれてきている。
「今後は、さらに学校の情報を管理していく必要があると考えています。例えば、本校では『選択科目』や『習熟度別授業』が多いため、使いやすい『出欠管理システム』の開発が必要になってきています。また、図書館情報なども含めた校内の『情報の総合化』を図っていくことで、より学校運営をスムーズにしていきたいと考えています。その他、各分掌ごとに集約している生徒に関する様々なデータ類も、『情報企画室』が中心になって、生徒一人ひとりを多面的に把握できるデータベースにできればと思っています」(沖村先生)
また、ホームページについては、今後は中学生向けの情報発信に力を入れていきたいという。
「今までのホームページは、どちらかと言えば高校生以上の人を対象につくられたもので、中学生にはやや難しいと思います。もっと、イラストを取り入れたりして、楽しく、分かりやすい中学生向けのサイトを作ってみてはどうかと考えています」(田中校長)
藤島高校の実像を分かりやすく紹介することで、中学生本人が積極的に藤島高校を選んでくれるようにしたい、とも語る田中校長。中学生向けの情報発信に力を入れたい背景には、福井県で04年度入試より県内の学校群および学区が撤廃され、全県一区の入試選抜の実施が検討されていることがある。少子化の時代を迎え、生徒に選ばれるためには、学校ごとの顔がはっきりと見える必要もある。これまで以上に、情報戦略が必要になってくる。
「インターネットなどの情報技術の持つ強みをうまく生かし、併せて各種の情報媒体を有機的に統合し、情報を発信していけるようにしたいですね」(田中校長)
意欲的に校内・外の情報化戦略を推進している藤島高校。その推進を陰となり日向となって支えているのが「情報企画室」の存在なのだ。
生徒への指導も「情報企画室」のメンバーが中心となって行っている。
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