VIEW21 2002.9  コミュニケーション新時代
 生徒との時間をより大切にするために

ホームページの活用で教育活動を校外にアピール
卒業生等との交流も実現

 「情報企画室」の取り組みの柱として、前述の校内ネットワークの整備の他に「ホームページでの対外的な情報発信、管理」がある。近年、自校の教育の特色を明確に示し、その教育活動を広く校外へ情報開示していく説明責任(=アカウンタビリティ)が強く求められるようになってきているが、同校の田中完一校長はこの点において、ホームページの果たす役割を次のように認識している。
 「本校は地区の伝統的な進学校であるため、例えば『週5日制での土曜日の扱いをどうするのか』などについても、地域から注目されています。そのような環境変化に対して、藤島高校としてのスタンス、教育方針をタイムリーに広く発信できる場として、ホームページを活用しています」
 田中校長の言葉通り、藤島高校のホームページには「未来を見つめて~藤島高校の教育改革」というコーナーがあり、週5日制に対する藤島高校の考え方や週5日制下での授業や部活動、学校行事、土曜日の活用についてなどを分かりやすく掲載している。
 また、情報を一方的に提供するだけではなく、双方向のコミュニケーションの場としても同校のホームページは活用されている。実際、週5日制の公式見解を見た卒業生である慶応大の学生が、ホームページのフォーラムに「『未来を見つめて』見ました。かっこよくできてますね。藤島のスタイルがよく見えていると思います。私個人としては週5日制はやはり反対ですね」という意見を寄せている。その他にも、フォーラム上での現役生と卒業生とのやり取りや、伝言板への保護者の書き込みなど実に多くのコミュニケーションが生まれている。
 「本校では、ホームページを見た人からの自由な意見や要望を受け付けています。保護者や卒業生、地域の方々の意見をここから吸い上げて、教育活動に生かしていきたいと考えています」(田中校長)
 さらに藤島高校ではホームページでの卒業生や保護者とのコミュニケーションを活用して、自校の教育活動への協力体制を強固にしている。例えば、卒業生に職業や大学について体験的に語ってもらう「ようこそ先輩」という取り組みへの協力を依頼したり、キャンパス訪問の際に、その大学に通っている卒業生に案内を依頼することなどをメールの活用でよりスムーズに行えるようにした。また、ホームページ上でこれらの行事の報告も行っている。その他、PTA総会の案内や、PTA通信の掲載などを通じて、保護者の学校への関心を高めるという点でも、ホームページの存在価値は大きい。

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ユニークで有用なコンテンツにあふれる藤島高校のホームページ。内容の更新も頻繁に行われている。
http://www.fujishima-h.ed.jp/



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