協和発酵では、東京町田市の東京研究所の研究員が中心となり、「移動理科実験教室」をボランティアで行っている。対象は近くの小・中・高校。土日を利用し、約20校で授業を行ってきた。きっかけは「『理科離れ』を防ぐために、子どもたちに驚きや感動を味わわせて、科学の面白さを知ってもらおう」という平田社長の言葉だ。「バイオアドベンチャー号」と呼ばれる顕微鏡などの最新機材を運ぶ車に乗り込み、「出前授業」に出掛ける。
例えば、高校では「遺伝子探偵」というテーマで授業を行った。これは、未知のゲノムDNA(ニワトリ、マウス雄・雌)を増幅し、増幅したDNAを電気泳動で確認して、未知のDNAがどの動物のものかを推測するというもの。
また、小学校では、「微生物は働きもの」というテーマで、微生物の顕微鏡観察を行った。授業の10日ほど前に、寒天シャーレに葉や土、ごみなど、生徒にとって身近なものを入れて封をし、当日顕微鏡で覗く。「自分の噛んだガム」や「ネコがなめたキャット・フード」などから生えた微生物を見た児童からは、驚きの声が上がったという。
小・中・高校の段階を問わず、最新の機材を使って実験を行ったり、第一線で活躍する研究者に専門的な話を聞く機会はとても貴重な体験である。
どの回でも参加した子どもは全員、食い入るように研究員の説明を聞いていたという。
出前授業の様子(写真上)とバイオアドベンチャー号(写真下)
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