VIEW21 2002.12  コミュニケーション新時代
 生徒との時間をより大切にするために

進化する大学の入学広報と
今後の進路指導

 ここ数年、大学の入学広報が変わりつつある。かつてのような単なる入試方式を紹介するだけのスタンスから、大学の中身を見せる方向にと急速にシフトしているのだ。同時に、大学と高校生が直接コンタクトを取り、コミュニケーションを図るような場面も増えている。そうした変化に連れて、進路指導の在り方にも新しい視点が求められるようになりつつある。


インターネットを学生募集の有力なツールとして活用

 いまやホームページを開設していない大学を探すのは難しい。だが6年前には、わずか3割ほどの大学しか開設していなかったという。インターネットの急速な普及は、大学を取り巻く社会的な環境変化と連動しながら、大学の入学広報の在り方にも、大きな変化をもたらしつつある。
 その最も顕著な変化は、大学のホームページを「学生募集のための有力なツールとして戦略的に位置付けよう」としていることだ。数年前までは、大学案内の抜粋に近い情報しか提供していないホームページが多かったが、現在では学部情報も充実し、シラバスや自己点検・評価の報告書を積極的に公開している大学も増えてきた。
 例えば、ある大学のホームページでは、「入試情報」の中に2002年度のシラバスを掲載。「講義の目標」をはじめ「使用テキスト」「評価方法」「年間授業計画」などが詳しく記載されている。また「就職情報」では、大学のバックアップ体制から支援スケジュールまでを紹介。キャンパスマップ上の施設をクリックすると、該当施設の平面図まで見ることができる。大学図書館の蔵書を検索することさえできるようになっている。
 オープンキャンパスや進学相談会などの日程といったタイムリーな情報は、ほとんどの大学が掲載し、ホームページの速報性を生かしている。東京大も、ホームページ上だけで、オープンキャンパスの告知と募集をしているほどだ。


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