国際人の養成に向け 今、高校に求められていること
●自己と世界との関係性の中で、生き方を考えさせる指導を深める。
●日々の授業の中に「国際理解教育」の視点を取り入れる。
●教師の役割はプランナーであり、同時に情報・学習スキルの提供者である。
重要性は認識しているが、国際理解というものが漠然としていて、実際にどのように高校教育に取り入れ、指導すべきか見えてこない――国際理解教育についてこのような悩みを抱えている教師は少なくない。
そこで今回は、2001年に行われた文部科学省の「英語指導方法等改善の推進に関する懇談会」のメンバーでもあった東京学芸大の金谷憲教授に、求められる国際人像と国際理解教育の捉え方、教師の実践方法についてお話をうかがった。
また、02年度に文部科学省が発表した「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」について、文部科学省初等中等教育局の近藤裕史係長にお話をうかがうと共に、文部科学省の主催で行われた、全国の指導主事の先生方を対象とした「国際理解教育に関する研究協議会」についてレポートし、実際に高校現場ではどのような教育が求められているのかを考えていきたい。
東京学芸大金谷教授にうかがう
バイリテラシーと知識の深化が 国際理解教育の要諦
日本ではよく、「日本人は国際化されていない」と言われる。しかし、「どんな情報でも入手でき、どこへでも移動できるという観点で言えば、日本人は十分国際化されている。しかし、実際に国際舞台で活躍するためには、これだけでは不十分」と、金谷教授は言う。以下、金谷教授の国際理解教育に対する見解を紹介する。
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東京学芸大 教育学部教授
金谷憲
Kanatani Ken
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