ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
普通科でも実施可能なイマージョン・プログラムなどの指導計画を立案
   2/4 前へ次へ


 SELHiとは、文部科学省が指定した英語教育を重点的に行う高校及び中等教育学校のことである。全国26都道府県57件の申請に対し13都道府県16件が承認され、年間総額約8千万円に上る予算が計上されている。指定校では、英語教育を重視したカリキュラムの開発、一部の教科の英語による実施、大学や海外の姉妹校との効果的な連携などについて、3年間に渡る実践的な研究が行われる。
 今回は、その中の1校である和歌山県立星林高校の先生方にお話をうかがった。


普通科も含め、学校全体で英語教育に取り組む
 星林高校は、今から15年前に国際交流科を設立、和歌山県の英語教育・国際理解教育を牽引してきた学校である。英語合宿やALTの存在を生かした授業研究、海外姉妹校との交流を行うなど、積極的に国際人の育成を目指してきた。田口右門校長は、同校がSELHiに手を挙げた理由を次のように語る。
 「国際交流科が設立されて15年が経ち、地域からも高い評価をいただくようになりました。しかし、少子化が進む中、学校経営は年々厳しくなってきています。そんな中で、生き残りをかけていくには、今までと同じことをしていたのでは意味がありません。今年度から和歌山大教育学部附属中学校との連携型中高一貫教育を実施していますが、加えてSELHiに手を挙げることが、学校をより活性化していくための良い機会になるのではないかと考えたのです」
 高田直昭教頭は、SELHi研究計画書の作成に当たり留意した点を、次のように語る。
 「最初に取った校内コンセンサスは、この取り組みを国際交流科だけのものにせず、普通科も含めた学校全体のものにするということでした。SELHiの目的は、英語教育方法の研究を行い、その成果を全国の高校に広めていくことにあります。国際交流科だからできる、といったものでは意味がありません。
 そのため、普通科でも同じように英語教育や国際理解教育を推し進めていくこと、そして英語科の教師だけでなく、全教科の教師がかかわることのできる内容にしていくことを念頭に置きました。また、SELHiに指定されると英語の単位数を増やすことも可能ですが、ゆとりを持ちながら文武両道の調和の取れた人材を育成することを考え、30単位の枠内でカリキュラムを考えました。これらは研究期間が終わり、カリキュラム設定の優遇措置が終了する3年後以降も継続して取り組みを行うことを考慮した結果です」
表1
 
このページの先頭へもどる
   2/4 前へ次へ
 
このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.