ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
普通科でも実施可能なイマージョン・プログラムなどの指導計画を立案
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今まで行ってきた取り組みを、継続・深化させる
 では、具体的にSELHiとしてどのような取り組みがなされているのだろうか。同校の主な取り組みを表2に示したが、その多くは同校が従来から実施してきた活動を、継続・深化させたものだ。例えば、実用英語検定に対する積極的な取り組みや、LL教室を活用しての授業なども、従来の取り組みがそのベースになっているという。
 中でも代表的なものが2泊3日に渡り、生徒に英語漬けの生活を送らせるスーパー・イングリッシュ・キャンプだ。これは、1年次の夏に行われているもので、従来は国際交流科の生徒のみを対象としていたが、02年度からは普通科の生徒も対象とした。01年度までは県内のALTを講師として、ゲーム的な要素をふんだんに盛り込んだ英語に親しむ場という志向が強かったが、02年度からは大学教官を招いた異文化理解に関する講義や、ALTを交えたディスカッションなども導入し、より密度の濃い内容を組み立てた。
 英語科担当で進路指導部長の三阪佳伸先生は、「生徒はこのキャンプを体験することで、ネイティブの教師の授業にもスムーズに臨むことができるようになります。それに加え、02年度からは異文化理解講座などを設けることで、国際的に活躍するために必要な知識を身に付けさせることも意識しました」とキャンプの意義を語る。
 また、和歌山大教育学部附属中学校や和歌山大との連携も、従来からの取り組みをベースにしつつ、さらにその内容を深めている。
 「今までは高大連携の取り組みとして年1回、和歌山大の先生に出張講義をお願いしていました。しかし、03年度からは、外国事情の授業を担当していただくなど、通年週1回のペースで本校にお越しいただく予定です。また、中高一貫校への移行を機に、今まで以上に中高教師の相互乗り入れを行ったり、中高6年間を見通したカリキュラム開発を行ったりすることになります。和歌山大の先生方をはじめ、近隣の大学の先生方をお招きして、英語教授法検討会も行いました」(三阪先生)
 編集部が取材に訪れたのは、ちょうど1年生を対象とした和歌山大教官による出張講義の日。授業の内容は、映画で異文化を理解しようというもので、有名な日本のアニメ映画の日本語版、英語版の同じ場面を見比べ、せりふの言い回しの違いを、言語学や文化的側面から考察していく。
 「大学レベルの専門的な授業に触れさせることで、大学・学問への興味を喚起することができますし、語学だけではなくその背景にある文化や社会事象にまで興味を広げることができます。普段のリーディングや文法の授業と結び付けることでより高い効果を生み出したいと考えています」(三阪先生)
表2
 
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