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教養教育を活性化させるために 今、大学がなすべきことは何か
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教養教育軽視の歴史的背景と大学教員の意識
 なぜ、教養教育は人気がないのだろうか。
 一つには、学生はもちろん、教員の間でさえも教養教育を軽視する風潮があることだ。
 これには歴史的な背景がある。戦前、日本の大学は研究志向の強いドイツの大学に倣い、すべて専門学部で構成されていた。教養教育は旧制高等学校で行われていたのである。ところが戦後になると、大学で教養教育を取り入れることになった。アメリカの大学は4年間教養教育を行っており、それを移植しようとしたのである。しかし、当時の日本の大学は4年間を専門教育に充てており、教養教育の入る隙がない。そこで妥協の結果、前半の2年間で教養教育を、後半の2年間で専門教育をすることにしたのである。この時、教養教育を担当するために設置されたのが教養部である。
 「教養教育が導入されたときから、専門教育が教養教育に庇を貸している構図になっていたのです。だから、専門教育の方が上で教養教育が下に見られるという感覚が、今でも根強く残っています。その後、91年の『大学設置基準の大綱化』をきっかけに教養部の解体が進みましたが、教養部出身の教員と、元々専門教育をやっていた教員との間の溝は深く、教養教育に対する意識改革は進んでいないのが現実です」(有本教授)
 教養教育軽視の傾向は、教員に対するアンケートの結果からもうかがえる。図2を見ると、教養教育に関して「教育経験豊かな教員が行う」「専任の教員が中心になって行う」などは、「賛成である」「まあ賛成である」を合わせてそれぞれ63.5%、49.1%であるにもかかわらず、「すべての教員が行う」「ローテーションで行う」はそれぞれ34.1%、23.2%と低い。
図2
 
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