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【COLUM】企業が求める人材とは
J-フォン株式会社
自己責任に基づいてチャレンジする社員を積極支援
携帯電話に初めてモバイルカメラを搭載した「写メール」のヒットで知られるJ-フォン株式会社。01年11月に、国内の持ち株会社と三つの事業会社が合併した同社は、イギリスの世界最大の携帯電話会社ボーダフォングループの一員でもある。
同社の求める人材像を一言で言うと「目的意識を持ってチャレンジする意欲のある人」だ。
「外資系企業だからといって、英語の得手不得手は必ずしも重要なことではありません。基本的な能力は必要ですが、『J-フォンで○○をしたい』といった明確な目標や目的がある、例えば、新しいサービスやビジネスモデルを考えてくる学生や、J-フォンが他社に劣るところを補うような企画を提案してくる学生にはやる気を感じます。特に、技術系であればJavaTM言語を利用してソフトをつくった、最先端の無線技術を研究した、企業とのコラボレーションにより新規ビジネスを立ち上げたといった、通信業界につながる具体的な取り組みがあるといいですね」(人材開発部課長・若菜実氏)
また、人事制度や研修制度に魅力を感じて志望する学生も少なくないという。同社の人事制度のベースとなる理念は「自己責任による人生の選択」。チャレンジ意欲旺盛な社員、キャリア形成に対する明確なビジョンを持った社員に対しては、どんどんチャンスを与えていく。こういった人材活用に関するスタンスが、自己実現やキャリアアップを目指す学生を引き付けているようだ。
特に、人事制度には「社内リクルート制度」、いわゆる「ジョブポスティング」があり、社内のある部署で欠員補充や増員の必要が生じた場合には、イントラネットを通じて社内公募ができるようになっている。目的意識や意欲の高い社員を適所に配置し、存分に自己の能力を発揮する機会を提供するのが目的である。
一方、研修制度としては現在、ロジカルシンキング、プレゼンテーション、リーダーシップ、ネゴシエーション、コーチング、英文ライティングなど、ビジネススキル向上のためのトレーニングプログラムが12コース設けられている。人材開発部が社員に呼び掛けることはするが、参加するかどうかは各社員の自由意志に任されている。あくまでも社員一人ひとりの前向きな姿勢が問われるのだ。
「J-フォンでは、社員全員が何か一つ『プロフェッショナルな領域』を持つことを目指しています。これは、J-フォンの中だけでプロフェッショナルになるという意味ではありません。日本あるいは世界全体を眺めて自分の市場価値を測ったとき、評価されるだけの力を身に付けようということです。そのための支援は会社としては惜しみません。ただし、それ以上に個人の努力が必要なことは言うまでもありません」(若菜氏)。
明確な目的意識とチャレンジ精神を持って自らのキャリアを構築しつつ、真のプロフェッショナルを目指す。実力主義の時代に求められる本当の力とは、自ら未来を切り拓いていく「意欲」そのものなのかも知れない。
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