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保護者に伝えたい情報とは(2)
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(3)進路への要望を確認する
 最後に、保護者が生徒の進路に対して持っている「要望」が、どのようなものなのかを確認したい。
 弊社の調査によれば、実に73%あまりの保護者が、何らかの形で生徒の進路に対して要望を持っていることが明らかになっている(図5)。もちろん、生徒と将来展望を語り合った上で、一定の要望を持っているならば、それは健全な保護者の姿と言えるが、一方的な要望の押し付けが認められたならば、この時点で是正しておきたい。
図5
 むしろ、ここで教師が注意して接しなければならないのは、文理選択を「子どもの意思に任せる」としている保護者である。それが生徒と話し合いを深め、その判断を信頼しての信任なら問題はないが、残念ながら、生徒の進路に対して無関心な「放任主義」の保護者である場合も少なくない。
 こうした保護者に対しては、生徒の人生に対する保護者の責任を改めて伝えなければならない。場合によっては個別に面談を持つなどして、生徒と保護者が健全な関係を取り戻せるよう、生活指導面からのアドバイスをする必要もあるだろう。
 とは言え、全般的な傾向として、保護者自身が社会環境の激変に翻弄され、子どもの将来像に明確な指針を示しにくくなっているのも事実である。オープンキャンパスや進路講演会への保護者の参加を促すなど、教育に関心を持ちやすい環境の整備も必要だろう。

 以上、夏休み前における、文理選択に向けた保護者への情報提供の流れを考察してきた。もちろん、情報提供がこれで終わりということはなく、最終的な文理分けに至るまで、以上のような情報を、学級通信などを通して適宜再確認するようにしたい。
 文理選択の時点で大切なのは、生徒の進路を最終決定することではなく、今後の人生の大まかな方向性を決めることである。ともすれば進路決定を焦りがちな保護者の不安を和らげ、「生徒・保護者・教師が共に進路を考える」という信頼関係を築くことこそ、文理選択に向けた保護者と教師の課題なのである。
資料
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