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法科大学院の設立によって法学教育はどう変わるのか
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法学部卒業者であっても学力が伴わなければ法学未修者と同じスタート
 法科大学院の入学者選抜は、多くの場合、日弁連法務研究財団もしくは大学入試センターの実施する「適性試験」(共通1次試験)の後、その合格者に対して各大学院独自の2次試験を課す(図1)。「適性試験」については、どちらを判定材料に使ってもよいという大学院もあれば、センター試験のみというところもあり、いずれの試験の結果を用いるかは各大学院の判断に任されている。また、1次・2次共、基本的には法律の問題は出題されない。あくまで、論理力・分析力・読解力・表現力といった法律家になるための適性や学習に対するやる気などが判定の材料となる。
 つまり、法科大学院は必ずしも法学既修者だけを対象としているわけではないのだ。むしろ、未修者を積極的に受け入れる方針であり、各大学院とも入学定員の2~3割を目処にして、社会人や法学部以外の学部卒業者の受け入れを予定している。結果的には受験者の多くが法学部出身者になるかも知れないが、基本的には法学部以外の学部出身者であっても受験は可能だ。
図1
 そこで法科大学院では履修期間を2つに分け、法学未修者を3年間、既修者を2年間としている。とは言え、2年制コースに進める既修者は、試験により一定の法律知識を有していると大学院が認めた者だけだ。つまり法学部を卒業したからと言って、全員が2年制(既修者)コースに進めるわけではないし、進学や進級に有利になるわけではないのである。この点について、吉本教授は次のように釘をさす。
 「2年制コースになるかどうかは試験によって判断しますが、試験の結果によっては法学部出身者でも、未修者と同じスタートラインに立つことになります。大学によっては、法学部を卒業すれば既修者コースに行けるかのように宣伝しているところもあるようですが、2年制コースはあくまでも例外だということを意識してもらいたいですね」
 
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