ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
生徒の自主性を育み効果的な65分授業を展開
   6/8 前へ次へ


 多治見北高校が65分授業をスタートさせたのは、今から33年前の1970年のこと。岐阜県では「多北は65分の学校」という認識が定着している。
 同校の日比野弘美先生は「導入当時を知る教職員は、もう本校には誰も残っていないのですが」と前置きしつつ、65分授業が始まった経緯を次のように説明してくれた。
 「65分授業を取り入れる以前は、本校でも正規の授業以外に科目によっては7限授業を実施していました。そのために、部活動や生徒会活動の時間の保障、遠方から通う生徒の通学時間の保障などが問題点として出てきました。こうした状況の中で、授業をより充実させ、さらにこれらの問題を解決する手段として考えられたのが65分授業だったのです」
 65分授業にした場合、50分×6時限よりも65分×5時限の方が、1日当たりの授業時間は25分間多くなるというメリットがある。また50分授業だと消化不良に終わりがちな数学の演習問題や理科の実験なども、65分授業なら余裕を持って取り組める。65分授業に転換することで授業を質・量共に拡充させ、その代わり放課後は補習ではなく部活動や生徒会活動の時間に充てるという方法をとったのだ。
 以来、多治見北高校は現在まで65分授業を維持してきたわけだが、もちろん教育環境は当時と比べてずいぶん変わった。全国的な傾向でもあるが、完全週5日制の導入や新教育課程の実施に加えて、受け身の生徒の増加など生徒の気質変化も現れてきている。一方で進学校としての地域からの期待は、相変わらず強い。そんな中で同校でも、今回の完全週5日制と新課程の実施に当たって65分授業をこのまま続けるかどうかの見直しを行った。しかし「時代が変わっても、65分授業の方が科目に応じた授業が展開できる。しかも入試に対応できる力を身に付ける点でも有利」であるという結論に達したという。
 
このページの先頭へもどる
   6/8 前へ次へ
 
このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.