学習計画に対する情報提供を行う |
以上のようなフォローを行う一方、この時期から面談を通じて意識的に行っておきたいのが、できるだけ具体的な学習方法を生徒・保護者の双方に伝えることだ。
学部・学科選択が終わればいよいよ志望大の決定というステップに入るが、そうすれば自ずと、生徒が目標とする学力レベルと、現在の学力のギャップが明らかになる。そうしたときに、保護者がいたずらに不安を覚えないようにするためには、「実際にどのような学習方法を実践すれば、そのギャップを乗り越えられるのか」という情報をできるだけ明確に伝えておくことが重要である。図3に示した通り、ほとんどの保護者は、志望大の学力レベルと実際の生徒の学力の双方について、かなり正確に把握している。 |
|
実際、「うちの子どもは今のペースで勉強していて大丈夫なのか」「学習方法は間違っていないのか」という不安を保護者から聞いた経験のある教師は少なくないはずだ。学習方法に対するアドバイスは、生徒の不安を払拭するのみならず、保護者の不安を払拭することにもつながるのである。
その際に生きてくるのが、過去の卒業生のデータである。例えば、主だった卒業生について、3年間に渡る模試成績、センター試験の成績、各学年の学習時間と学習内容などについてまとめた冊子を配付すれば、保護者はどの時期にどんな学習方法が必要なのかを具体的に知ることができ、生徒の家庭学習を積極的にサポートすることができるだろう。 |
クリックすると拡大表示します。
|
以上、学部・学科選択に向けて必要と思われる情報提供の在り方について考察してきた。もちろん、ここに挙げたのは一例であり、生徒・保護者の実情に応じて、実際の対応方法は多様である。各校の状況に応じた情報提供を模索していただきたい。 |