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研究指定を契機にした教師の変化が生徒の意識を変えた
「03年度の実践はまだ始まったばかり」と浅川先生が言う通り、生徒の学力向上という明確な形で、取り組みの成果が現れているわけではない。だが、徐々に変わり始めた教師の意識は確実に生徒たちにも伝播しつつあるようだ。別所先生が感じているのは、授業1時間1時間を大切にする姿勢が、生徒の間にも浸透し始めたことだ。
「元々本校の生徒にはのんびりした者が多く、始業のベルが鳴ってもすぐに授業が始まるようなケースは稀でした。しかし、ここ最近は始業2~3分前には教師も生徒も教室に入るのが当たり前になっています」
もちろんその過程では、生徒と教師が真摯に向き合うコミュニケーションがあった。例えば、年間行事の削減に伴っては生徒会から反対意見が上がったが、教師たちは行事を削減する理由やその目的を粘り強く説得し続けた。その結果、今では生徒会が率先して、ライバル校と自校の生徒の学習時間を比較した表などを作り、生徒の意識啓発に努めるまでになった。
「フロンティアハイスクール事業を、独自の改革路線とより密接にリンクさせていくことが、大きな成果につながっていくのではないかと思います。改革していく学校の姿やダイナミズムを地域にも伝え、学校の存在価値を向上させていきたいですね」(浅川先生)
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