ベネッセ教育総合研究所
特集 自学自習力の育成
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主体的行動力
部活動
 部活動や文化祭、生徒会活動などは主体的行動力やコミュニケーション能力などを身に付ける絶好の訓練の場である。
 「本校では、各方面で優れたリーダーとなる人材の育成に努めることを進路指導の基本方針にしていますが、そのためには高校生活が単なる受験勉強のみに費やされるのでは不十分です。生徒会行事や文化祭、部活動など教科以外の様々な特別活動に対して生徒が積極的に参加できるような体制をつくっています」(関根正史先生)
 例えば、新入生の合宿オリエンテーションでは、新入生を10人一組のグループに分け、それぞれにリーダーとして2、3年生を配置し、班別のディスカッションを行う。グループの意見をまとめていく中で、リーダーシップや主体的行動力を身に付けていくのである。
 また、部活動の活性化を図っているのは先に述べた通りである。この点について運動部長の坂田和文先生は「学習活動と部活動の相乗効果が出ている」と指摘する。
 「学習も運動も精神力が大切です。『頑張ろう』という気持ちに、学習もスポーツも違いはありません。個々の生徒には、できるだけ高い目標を持たせていますが、限られた時間の中で計画的に練習し、目標に向かって力を出し切らせることが大切です。目標達成という成功体験が主体的行動力を育み、学習面でも自信につながるのです」
 毎年部活を続けながら志望大に合格する生徒が多いことも、後輩の部活動に対する意欲を高めている。実際、3年生においても部活動の加入率は高く、03年度の加入率は運動部60.3%、学芸部33.5%(図6)。先輩を成功モデルとして、後輩が「自分にもできる」と自信を深めているのである。
図6
 さらに、意図的に生徒のプライドを刺激し、闘志をかき立てることも忘れない。遠征に行けばスポーツに力を入れている学校と対戦することも少なくない。学習面で高い目標を掲げながら、そうした学校と渡り合うには、いかに効率よく練習し、頭の切り替えを素早くするかが重要になる。
 「いつも生徒には『学業とスポーツの両立という難しいことをしているのだから誇りを持て』と暗示を掛けていますよ」(坂田先生)
 学習と部活動は学校活動の両輪と言われるが、同校の場合、部活動は「学校の背骨と言ってもいい」と、坂田先生は強調する。ともすれば進学指導に偏りがちな進学校もある中、部活動の活性化を図る高崎高校。部活動や特別活動で養われた主体的行動力が、「総合的な人間力」を養う上で欠かせないことを熟知しているのである。


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