「読み」重視から機能バランス重視型へ |
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ここ数年の大学入試問題を分析してみると、読解力重視の傾向に大きな変化はないようだ(図1)。 |
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進研ゼミ高校講座作成 |
しかし、国公立大個別学力試験を中心に、様々な形式で英語の表現力を問う英作文問題や、リスニング問題が出題される傾向も強まりつつある。06年度より、大学入試センター試験にリスニングテストが導入されることも決定しているが、これは大学側が「実践的コミュニケーション能力」が高校段階で身に付いているかどうかを測ろうとする、一つの変化の表れだ。
こうした状況を踏まえると、「読む」「書く」「聞く」という3技能を中心として、英語で情報を理解したり発信したりする力が、今後益々問われる方向にあることは間違いない。中でも「実践的コミュニケーション能力」重視という大局的な流れの中で、今後低学年からの指導のポイントとなるのは、「読解力」と「表現力(作文力)」の養成ではないだろうか。もちろん、これらのベースとなる「語彙力」と「文法力」の習得もまた、低学年からの指導における重要な課題であろう。進研ゼミでも、図2の3つの力が大学入試に必要な力の中心と捉えている。 |
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進研ゼミ高校講座作成 |
そして、「読解力」や「表現力(作文力)」の養成で特に意識したいのが、英文の特徴を踏まえた、「英文の読み取り方」と「英文の組み立て方」である。
そもそも日本語と英語は、語順が異なり、日本語は助詞によって意味が決定されるが、英語は語順によって決定される。この違いを理解することが、英文の読み取り方と組み立て方のコツをつかむ第一歩となるだろう。
近年の読解指導では、意味の固まりごとに区切って読む方法もよく行われるようになってきたが、これは、英語の語順に従って必要な情報を迅速に読み取ることを目的とした読解法である。同様に、英作文指導においても、英文を組み立てる際に、「語順への意識付け」を行う指導を早くから行っておくことは効果的だと考えられる。
では、実際にどのような指導が考えられるのか、次ページ以降で考察していきたい。 |