ベネッセ教育総合研究所
シラバスの活用 家庭学習習慣を身に付けるシラバス
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2 バインダー活用により柔軟性と発展性を確保
 各教科の記述内容の工夫に加え、シラバス全体の形式についても工夫が凝らされている。同校では、毎年生徒にシラバス利用に関するアンケートを実施し、生徒の要望を受けて改善を重ねている。02年度の生徒アンケートで、携帯性、学年別分冊の要望が多く、03年度からバインダー形式にした。綴じ込み可能なバインダー形式を採用したことで、年度途中の計画変更に柔軟に対応できるようになっている。教務部の嶋中恵子先生は、この工夫によるメリットを次のように語る。
 「シラバスの内容に変更があった場合でも、バインダー形式であれば、後から『シラバスのこの部分を差し替えておいて』という具合に柔軟に対応できます。生徒にとってもメリットが大きいですし、教師にとってもシラバスと実際の進度のずれを未然に防ごうとする意識付けになります」
 また、バインダー形式を採用することが、生徒が独自に工夫してシラバスを使いこなす余地を生んでいることも見逃せない。例えば、ある生徒は、模試の結果票をその時々の進度と合わせてファイリングして、自分の学習履歴としてシラバスを使っていたという。確かにこれなら、その時々の学習到達度と学習内容を確認しつつ、計画的に学習を進めることができる。
 とは言え、こうした活用法を自力で見つけられる生徒はそう多くはない。そこで同校では、シラバスを配付する年度始めのオリエンテーションで、過去の活用事例を紹介することも考えている。
 「余程意識の高い生徒でないと、『シラバスを読む』以上の活用レベルにはなかなか到達できません。先輩たちの具体的な活用事例を示すことでシラバスを使った学習の方法やその効果について、早期に意識付けを行えたらと思います」(嶋中先生)


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