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「学校の文化」として定着させるためにまずは継続を重視 |
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「進路探訪」のスタイルも固まり、目標意識醸成にも一定の効果を確認したが、同校の教師たちは現状に満足しているわけではない。
「懇談会については、本来なら生徒が講師の方を車座に囲んで、ざっくばらんに話し合うスタイルが理想でした。しかし、生徒数に比べて講師の方の人数が少なかったため、双方向的な会話ができにくい状況が生まれてしまいました」(土肥先生)
研修旅行については、引率の教師から「グループの人数が多すぎて人任せにする生徒が見受けられた」といった声が寄せられており、グループ編成や移動方法に一層の工夫が求められた。今後はこれらの運用面の課題を解決し、更なる精緻化を図ることになる。
だが何よりの課題は、この取り組みをどのように「学校の文化」として定着させるかである。
「『進路探訪』に取り組んだ生徒が3年生になり、いよいよ具体的に進路選択をすることになります。今後は、進路への思いを深めていった生徒が、それをどのように実現したのか追跡・検証し、取り組みを深化させることが必要です。それによって『進路探訪』が本校の財産として定着していくのだと思います」(仲井先生)
尾崎先生も「まずは活動を継続させることが重要」と強調する。
「『進路探訪』の目的は、大学の先を見せて目標意識を養うこと。取り組みは始まったばかりですから、効果検証には5年、6年の歳月が必要でしょう。ともかく今は活動を継続し、ノウハウを蓄積していくことに全力を挙げたいと思います。今の生徒が将来、OBとして本校の『進路探訪』のために尽力してくれるようになれば、その時こそ『進路探訪』が学校の文化として根付いた証になるのだと思います」 |
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