ベネッセ教育総合研究所
シラバスの活用 保護者向けシラバスの作成に向けて
船戸 秀道

ベネッセコーポレーション
進研ゼミ高校講座顧問
元群馬県立高崎高校
進路指導部長
船戸 秀道
Funato Hidemichi

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シラバスの活用
保護者向けシラバスの作成に向けて
学校現場では今、保護者と密接に連携を取りながら生徒育成を図るため、「保護者向けシラバス」の作成に向けた動きが本格化しつつある。
長年高校現場で進路指導に携わってきた、船戸秀道進研ゼミ高校講座顧問に「保護者向けシラバス」作成のポイントをインタビューすると共に、宮崎県立宮崎南高校の事例を取り上げる。


現場で高まる「保護者向けシラバス」への期待
 家庭の教育力の活用に向け、学校現場では今、「保護者向けシラバス(以下、保護者シラバス)」に対する関心が高まっている。生徒向けの教科シラバスや進路シラバスと同じく、各指導段階で学校がどのような役割を家庭に求めているのかを明示し、積極的な協力を引き出すのがその目的である。
 その背景には、高校生となった子どもとうまく接することのできない保護者が増えているという現状がある。図1に示したのは、弊社が実施した04年度「スタディサポート」の結果であるが、進路という重要な話題についてさえ、子どもと十分納得の行くまで話し合っていない保護者が少なくない様子がうかがえる。
図1
不足する親子のコミュニケーション
進路について「保護者とほとんど話し合ったことがない」「保護者から任されている」という生徒が少なくない。進路選択という重大な問題に関してさえ、保護者と子どもの関わりが必ずしも十分ではない様子がうかがえる。
 しかし、単に「こうしてほしい」という項目を一方的に羅列するだけでは、実効性の高いシラバスにはならない。学校のメッセージがきちんと伝わり、保護者の積極的な協力を引き出すためには何が必要か。その作成のポイントを改めて確認したい。


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