ベネッセ教育総合研究所
特集 学力多層化への対応
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4 学年担任組織
point!
・柔軟な組織運営
・会議は授業時間内に実施
 担任会に代表される同校の様々な会議は、指導方針の立案・修正の目線合わせの場であり、3年間の指導の大きな流れを誘導する「舵取り」の役目を果たす。
 様々な会議の中で核になるのは週1回実施される「担任会」だ。学年全体の成績や生活の状況などについて細かく意見が交換される。また実力養成考査の後には、試験の達成状況について細かな分析が行われ、その結果は教科毎にプリントにされて生徒に配られるのである(図5)。
図5
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 更に生徒の状況によって臨機応変に対応する柔軟性も備えている。例えば04年度の2学年では、1学期の夏期休暇を目前に控えた7月上旬に「ミニ進路検討会」を実施した。2学年主任の中神正幸先生は、次のように語る。
 「2年生のこの時期は、新たな進路希望調査のデータも揃いますし、6月上旬に実施した実力養成考査の結果も出ています。今回は、生徒の最新の進路希望と学力を担任全員が把握し指導方針を決定、今後の担任面接で生徒の進路上のアドバイスができるようにすることを目的としています。これは、2年担任会が必要と判断して、期末考査後の午後実施したものです」
 学年でこうした臨機応変な対応ができるのも、常日頃から教師同士のコミュニケーションが取れていればこそだ。
 「本校では、担任会という公式の場だけではなく、職員室での打ち合わせや、学年と教科の話し合いなど日常的にコミュニケーションを行い、常に課題を共有しています。絶えず情報を共有していれば、何か問題が出てきてもすぐに対応することができますからね。また、忘れてはならないのが副担任との連携です。副担任から責任ある援助、支援を引き出すには、教科内容だけでなく生活指導面のことも含めて、副担任にはしっかりと情報を伝えておくことが大切だと思います」(中神先生)
 担任会の持ち方やその時々の議題は、基本的に各学年に任されているという。また、担任会を含めて、校内のあらゆる会議を授業時間内に組み込むことで、会議に適度な緊張感を持たせる工夫もしている。
 学年団の裁量に任せつつ、適度な緊張感を持たせる方針が担任会を活性化させ、学年団に活力をもたらしているのである。


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