ベネッセ教育総合研究所
指導変革の軌跡 埼玉県・私立淑徳与野高校「生徒の”個”と向き合う指導」
埼玉県・私立 淑徳与野高校
埼玉県・私立 淑徳与野高校
創立112年を迎える大乗淑徳学園傘下の高校。仏教精神に基づく全人教育に加え、国際教育等の推進等にも力を入れている。2005年度より中学校を併設予定。
設立●1946年(昭和21年)
形態●女子校
生徒数(一学年)●約460名
04年度入試実績●国公立大には東北大2名、お茶の水女子大2名、東京外語大2名、東京都立大3名、埼玉大7名など44名。私立大には延べ1110名。慶応義塾大、早稲田大、上智大、立教大、明治大、学習院大に現役で合計185名。
住所●埼玉県さいたま市中央区円阿弥2-11-26
電話●048(853)3193
URL● http://www.shukutoku.
yono.saitama.jp/
味沢俊治

埼玉県淑徳与野高校
味沢俊治
Ajisawa Shunji
教職歴25年目。進路指導部長。社会担当。「困難を引き受ける強さと広い世界を見る眼を育みたい」

長尾波留子

埼玉県淑徳与野高校
長尾波留子
Nagao Haruko
教職歴26年目。3学年主任。国語担当。「教員チームの力、生徒集団の力を引き出し、個々が生かされるよう」模索の日々。

矢吹誠

埼玉県淑徳与野高校
矢吹誠
Yabuki Makoto
教職歴20年目。3学年進路指導主任。数学担当。「生徒と共にたくさんの想い出を作りたい」

佐藤明弘

埼玉県淑徳与野高校
佐藤明弘
Sato Akihiro
教職歴18年目。2学年主任。数学担当。「卒業するときに『いい学校だったなあ』と思ってもらえる学校にしたい」

加藤秀爾

埼玉県淑徳与野高校
加藤秀爾
Kato Shuji
教職歴23年目。同校に赴任して20年目。1学年主任。国語担当。「言葉の持つ力を大事にした指導をしたい」

堂坂文彦

埼玉県淑徳与野高校
堂坂文彦
Dosaka Fumihiko
教職歴18年目。同校に赴任して17年目。英語担当。英語プロジェクト主任。「subjectではなくskillとしての英語を教えたい」

黒田貴

埼玉県淑徳与野高校
黒田貴
Kuroda Takashi
教職歴17年目。来年4月開校の中学校の準備委員を担当。国語担当。「中学開設の勢いを高校にもつなげたい」

※赴任歴を記していない先生方は、教職歴に同じ
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指導変革の軌跡47
その時教師はそして生徒はどう変わったか
埼玉県・私立 淑徳与野高校
―――― 一人ひとりを大切にする

「生徒の”個“と向き合う指導」で生徒気質を立て直す


大きく変わった生徒の気質、学習習慣
 「なぜこんなにも変わってしまったのか」
 学校週5日制がスタートした02年度、淑徳与野高校の教師たちは、新入生の生活実態調査を前に驚きを隠せなかった。一日の学習時間が前年比20分以上も減少していたのに加え、規則正しい生活リズムの確立など、「学習の根っこ」に関わる部分の乱れも目立っていたからである。だが、当時1学年主任だった長尾波留子先生は、その変化が必ずしも唐突にやってきたものだとは思わなかったという。
 「ここ数年、数値には表れていないものの、授業をしていても、何となく『生徒の様子が以前とは違ってきているな』と感じていました。やるべきことを示しても、その内容を踏まえて学習計画が作れない、先を見通す力に欠けた生徒が増えてきていたんです」
 長尾先生が感じた生徒たちの変化は、実は他の教師も感じていたものだった。生徒一人ひとりに手をかけ、地域からも「面倒見のよい学校」という評価を受けてきた同校だが、「これまでと同様の取り組みだけでは対応できない」といった危機感から、02年度の1学年を中心に、生徒の学習習慣、生活習慣の立て直しに向けた議論がスタートしたのだった。


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