佐賀県立佐賀西高校教頭
丹宗成一
Tanso Seiichi
教職歴25年目。同校に赴任して5年目。物理担当。「生徒が自分の人生を切り開いていくときの応援団でありたい」
佐賀県立佐賀西高校
青木勝彦
Aoki Katsuhiko
教職歴20年目。同校に赴任して3年目。数学担当。「なぜ自分が教師になったのかを考えて生徒を指導したい」
佐賀県立佐賀西高校
辻太嘉志
Tsuji Takashi
教職歴26年目。同校に赴任して3年目。教務主任。英語担当。「本当に生徒のためになる指導をしたい。教師の価値はそこに尽きる」
佐賀県立佐賀西高校
鶴田英二
Tsuruda Eiji
教職歴25年目。同校に赴任して5年目。進路指導主事。国語担当。「勉強も学校行事も、何にでも熱くなろうがモットー」
佐賀県立佐賀西高校
越智隆伸
Ochi Takanobu
教職歴7年目。同校に赴任して7年目。国語担当。「小さくまとまってほしくない。大志を持ってどんどん進める生徒を育てたい」
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「目標づくり」と「生徒の行動」が結び付く指導を目指す
佐賀県立佐賀西高校
将来像を語れず、自学自習ができない生徒
佐賀県トップの進学校として、全国的にその名が知られる佐賀県立佐賀西高校。例年の旧帝大クラスの国公立大合格者は延べ50~60名を数えたが、04年度はその数を一気に増やし、東京大7名、九州大60名を含む80名弱が輩出。「質実剛健」「鍛身養志」の校風の下、日本の将来を担う人材を育成してきた同校だが、その大きな躍進ぶりが注目を集めている。
ところが、今を遡(さかのぼ)ること5年前、当時3年生のクラス担任として同校に赴任した丹宗成一教頭は、生徒の進路意識が予想以上に低下していることにショックを受けたと言う。
「担任として生徒一人ひとりの志望を把握しようと考え、個別面談を実施したものの、自分の将来像について明確に語れる生徒がほとんどいなかったのです。特に私が問題を感じたのは、展望が曖昧であるにもかかわらず、『志望校は決まっている』と答える生徒が多かったことです。進学の意義を自分なりに見い出せないままの生徒には、成績が伸び悩んだとき粘れない、志望変更を余儀なくされた途端に学習への意欲が落ちる、といった問題が感じられました」
丹宗先生が感じた生徒の意識は、生徒の学習習慣にも確実に悪影響を与えていたようだ。
「新課程開始前後より、多くの学校で指摘されてきた傾向ですが、同校でも自学自習の習慣のない生徒の存在が大きな問題となってきました。強制的に学習をさせる『量対応』の指導だけでは立ち行かない状況が顕在化したのです。本当に自分が進みたい進路を生徒が見つけ、それに向かって努力する、という回路を作ることの必要性を痛切に感じました」(丹宗先生)
しかし、地元九州大を筆頭に難関大志望者が多い同校には、進路学習のプランニングにおいてどうしても越えなければならないハードルがあった。それは、3年次の1学期からスタートする志望大別のクラス編成までに、生徒の志望大の決定を間に合わせなければならないという課題である。青木勝彦先生はその事情を次のように説明する。
「いくら進路学習を通じて目標を描けても、それを実現するための学力養成がなければ生徒の進路実現を保証することはできません。難関大への進学を目指す本校の生徒の場合、2年3学期には『受験生になる』ことが必要です。目指す目標を描く→それに向かって勉強するという流れを考えると、実質2年弱の時間の中で、いかに本質的な進路選択をさせるかが、本校にとっての課題なのです」
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