|
|
|
制度面・施設面から学生のやる気を側面から支援 |
|
学生がスムーズに、かつ安心して自立的学習を進められるよう、大学が強力なバックアップ体制を整えていることも見逃せない。その一つが、週に1度授業とは別に設けられている「オフィスアワー」と呼ばれるミーティングである。オフィスアワーでは、学生が授業の担当教員に進捗状況を報告すると共に、各チームが設定した数値目標に沿って今何をすべきか、教員から細かな助言がなされる。教員は一方的に教えるだけではなく、学生の興味を引き出しつつ、課題解決の手法に気付きを与えていくのだ。
「担当教員と定期的にミーティングをすることで、学生はテーマ設定から成果発表までの流れの中のどの位置に自分たちがいるのかを常に把握できますし、常に目標に向かって進んでいるのだということを実感することができるのです」(松石教授)
また、評価方法にも特徴がある。学生一人ひとりの各チームへの貢献度は、学生の自己申告により評価されるが、その際、1チームにつき100万円のボーナスの原資を得たとして、メンバーそれぞれの貢献度に応じて配分するといくらになるかを全員に考えさせるのだ。協業の大切さを実感させると共に、一人ひとりのモチベーションを高めるのである。
制度や設備の面でも、学生が安心してチーム活動を行える環境を整えている。例えば制度面では、事前調査のため企業などを訪問する際、担当教員に届出用紙を出すだけで自動的に傷害保険に加入することができる。設備面では、前述の雲梯の場合のように、いつでもアイディアを形にするための「夢考房」と呼ばれる施設がある。そこでは工作・実験のための設備や道具、細かい部品まで揃えてある上、工作やプログラミングに長じた「技師」と呼ばれる技術職員が常駐し、学生の質問にいつでも答えてくれる。更に、何冊でも授業に必要な参考書を予約できるライブラリーセンターや、24時間・365日利用可能な自習室など設備の充実にも事欠かない。「多くの学生が施設を最大限活用して、自主的に課題の解決に取り組むのは、主体的な学習姿勢が身に付いている証拠です」と松石教授は指摘する。
同大を視察する大学が多いのも、自学自習力養成の大切さを多くの大学が感じているからだろう。それは特色GPの目的の一つである他大学へのノウハウ波及の進展をも示しているのかもしれない。 |
|