ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT 中高6か年指導のポイントを探る
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変わる教師と生徒の意識
 こうした指導に触発されて「生徒の中に将来に対する意識が以前よりも高まってきた」と三戸先生は指摘する。
 「ある生徒は泊まりがけで病院の実習に行きたいので紹介状を書いてほしいと言ってきましたし、別の生徒は獣医になりたいと、1週間近所の動物病院に通い詰めてレポートをまとめました。各課程の教師に権限が委譲されたことで、各課程ごとに新しい取り組みを打ち出していこうという空気が生まれ、生徒にも刺激を与えているようです」
 また、課程制が導入され、各課程での課題や取り組みの情報共有がスムーズになったことも大きな成果だという。
「中期課程で生徒の二極化が進行する状況を受けて、前期課程で生活・学習習慣づくりのための学習合宿を行うなど、新たな試みも始まりました。他の課程の状況が分かり、情報交換できるようになったことで、学校全体の指導が更に活性化されることを期待しています」(川福校長)
 学校改革初年度に入学した生徒は、現在高1生。この生徒たちが今後どのような結果を出すかによって、学校改革の成否が問われる。それまでは「改革の手綱を緩めることはない」と國清先生は強調する。
 「本校は従来から各教師の経験に頼って指導を行ってきましたが、それだけで今までのような進学実績を上げ続けるのは難しくなってきました。そこで、6年間を見通した進路指導の柱を作り、その中でそれぞれの先生方が工夫をしていくという体制づくりに着手したところです。課程制を導入して、生徒の成長段階に応じた新たな指導に取り組むフットワークの軽さが出てきましたが、まだお互いの指導を評価し高め合うレベルには至ってません。本校の良さを生かしつつ、新しい指導の在り方を模索したいと思っています」


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