ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT 中高6か年指導のポイントを探る
松四修

開明中学校・高校 高校教頭
松四修
Matsushi Osamu
教職歴33年目。国語担当。「生徒には、何事にも最高のものを追求する気持ちを持ってほしい」

早坂元実

開明中学校・高校 中学校教頭
早坂元実
Hayasaka Motomi
教職歴31年目。国語担当。「生徒が主人公として成長し、頑張れる学校をつくっていきたいですね」

林佳孝

開明中学校・高校
林佳孝
Hayashi Yoshitaka
教職歴19年目。高1学年主任。理科担当。「行事は教師が感動したものを生徒に与えるのが大事」

住友卓郎

開明中学校・高校
住友卓郎
Sumitomo Takuro
教職歴14年目。進路指導部主任。数学担当。「生徒は一生懸命やれば一生懸命応えてくれます」

村上幸志

開明中学校・高校
村上幸志
Murakami Koshi
教職歴11年目。高2進路指導主任。理科担当。「生徒の成長は自分が成長できる可能性につながる」

龍田知彦

開明中学校・高校
龍田知彦
Tatsuda Tomohiko
教職歴6年目。高3進路指導主任。数学担当。「生徒以上に汗をかいて生徒を引っ張っていきたい」

形態 ● 併設型中高一貫校/男女共学(01年度中1生より)
学年規模 ● 中学…約215名 高校…約300名(高校定員に対する内部進学率は約7割)
学校概略 ● 創立90年。男子高校として開校。91年中学校併設、01年に男女共学化。
04年度入試実績 ● 国公立大には京都大4名、大阪大2名、神戸大14名、大阪府立大21名、大阪市立大8名など123名。私立大には関関同立152名、早慶上智に10名など延べ390名。米国カリフォルニア州立大1名など海外の大学に延べ3名。
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事例2
時期に応じた仕掛けを行い、生徒を伸ばす指導
大阪・私立 開明中学校・高校


中学では豊富な行事で教科への意欲を喚起
 開明中学校・高校は大阪市内にある併設型の中高一貫校である。91年の中学併設以来、進学実績を順調に伸ばしてきた(図5)。
図5
 卒業生数に対し、毎年5~6割の国公立大合格率を維持している同校では、6年間の教育期間の中で、いかにして生徒を息切れさせることなくモチベーションを保たせることで、高い進学実績を維持しようとしているのだろうか。
 同校ではコース編成は比較的緩やかにし(図6)、生徒との信頼関係を醸成することや、教科への興味・関心を高める指導を重視している。
図6
 例えば、中学校では豊富な行事を中心に教科に対する興味を引き出したり、達成感を与えたりすることに主眼が置かれる。「総合的な学習の時間」を確実に実践していることに加え、図7に見られるように、中3までほぼ毎月、大きな行事で埋められているのだ。
図7
 高校教頭の松四修先生は、中学での行事の重要性を次のように述べる。
 「6か年の指導の集大成は大学受験ですが、中学の間はいろいろなことに興味や関心が持てるよう、行事を通して刺激を与えることを重視しています。特に、理科実習や歴史探訪、かるた大会などの教科と連動した行事を多く設けているのも、生徒の興味・関心を引き出し教科学習のモチベーションを高めるのが狙いなんです」
 教科連動の行事の代表は、中2で実施する理科実習だ。これは、和歌山県の加太湾で海洋生物の観察や実験を行う1泊2日の宿泊行事で、準備に2か月、事後のまとめに2か月を要する大きな取り組みである。高1学年主任の林佳孝先生は次のように述べる。
 「宿泊に先立って、生徒には班ごとに研究テーマを決めさせて、事前調査や実験計画などを立てさせます。現地では観察だけでなく、宿泊先に観察器具や実験道具を持ち込んで簡易の理科室を設営し、各班のテーマに応じて研究を深める。自然に触れることで生徒は生き生きとして、将来学びたい学問の選択につながる生徒もいるほどです」


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