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効果検証を強化して更に組織力を高めたい |
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尾道北高校が取り組んだ組織的な指導体制の構築は、着実に進学実績の向上となって表れている。特にここ数年は旧帝大を中心とした難関大への進学者数が急増し、注目を集めている(※)。
※尾道北高校からの難関大合格者は02年度入試では12名であったが、04年度入試では22名とほぼ倍増した。広島大、岡山大の合格者についても、02年度の18名が、04年度には33名へと増加している(現役のみ)。
だが、尾道北高校の教師たちは、決して現状に満足していない。松井先生は今後の課題は目標の妥当性の向上と各教育活動のプロセスでの「効果検証」にあると感じている。
「指導の各シーンでの目標設定と、それに応じた手法の確立については、ここ数年でかなり整備が進んできたと思います。しかし、実際に指導が効果を上げていたのかどうか、あるいは、目標の達成度をどのように計測するのか、という視点についてはまだまだ改善の余地があると考えています。今後は目標を周知徹底するだけでなく、実行のプロセスを着実に検証し、次の目標設定に生かしていくことが求められていると思います」
取り組みは既にスタートしている。図5に示したのは、尾道北高校が年3回実施する「実力テスト分析会」で使用する反省資料であるが、次回からは、前回の反省事項が達成できたかどうかを検証するため、「反省欄」を次回の「目標欄」にそのまま記載する方針だという。
「組織力の向上は04年度の最大のテーマです。目標達成のための業務の整理と焦点化、責任の明確化などに向けた組織改革は、今、着々と進んでいます。今後は進路指導、学習指導といった個別の教育活動に加え、学校全体を一つの組織体として機能向上させていくことが目標です」(松井先生)
組織の機能向上に向け、進化し続ける尾道北高校の事例には、学校組織の改善に向けた多くのヒントが隠されているのではないだろうか。 |
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