ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT 新課程3年目を迎えた中学校現場
片桐豊
岐阜県立武義(むぎ)高校教諭
片桐豊
教職歴19年目。同校に赴任して3年目。英語担当。「生徒には常にポジティブな姿勢で向き合いたい」
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高校側の視点
データを用いた客観的な話し合いに将来展望が
 纐纈(こうけつ)隆雄校長の下、洞戸中学校との連携を進めている武義高校。洞戸中学校との間では、既に互いの研究授業を見学し合うといった取り組みも実施済みであり、今後の更なる取り組みの深化に期待がかかる。進路担当の片桐豊先生は、一連の取り組みについて次のように感じている。
 「中学校現場を訪れて一番印象的だったのは、学習に生徒を向かわせる動機づけの仕方が高校側とはずいぶん異なることでした。我々はつい『上級学校への進学のために頑張れ』と言ってしまいがちですが、中学校側では『これを学べば、次にはこんなこともできるようになる、こんなことも分かるようになる』といった具合に、学習内容そのものを起点とした動機づけを行っています。こうした正攻法の作業を丁寧に行っていることには正直驚きましたね」
 一方、授業技術の向上のために、教科の壁を超えた意見交換が中学校では盛んに行われているのも印象的だったという。
 「例えば英語の授業の進め方についても、あらゆる教科の先生が積極的に意見を述べるんですね。特に、板書の仕方や、発問の仕方といったレベルまで突っ込んだ議論が行われているのには驚きました。こうした点は高校側でも見習うべき点だと思います」
 今後、武義高校では、中学校が行っている生徒の状況に関する調査・分析結果を収集し、高校での指導向上にも生かしていきたいと考えている。両校の連携は更に深まりそうだ。


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