ベネッセ教育総合研究所
特集 導入期の集団づくり
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コラム 2年次進級時の指導
 1年次2学期以降も面談を通して細やかなサポートをしている小野高校だが、2年次以降もモチベーションを持続させるための仕掛けを工夫している。
 年度始めに2年生全員に配られる「教科学習法」もその一つ。全教科の予習・復習の方法、授業の進め方など学習の仕方をまとめたもので、気の緩みがちなこの時期に改めて学習に対する姿勢をテコ入れしようという意図がある。
 また、生徒のモチベーションを高めるために、保護者にも協力を求めることもある。04年度の2年生では、「我が家の環境づくり」というテーマで、子どもと保護者が話し合い、今後2年間、それぞれが家族で続けていく事柄を決めて、学校に提出してもらうようにお願いした。
 このユニークな取り組みの提案者である菅野先生によれば、「1年次の3学期から2年次にかけての時期は、生徒が最も目標を持ちにくい時期。本校でも、生徒の自宅学習時間が減少傾向にありました。そこで、学習時間を確保させるために、保護者の方のご協力を得て、生徒のモチベーションを高めたいと考えたのです」とのこと。
 確かに、単に教師が保護者に対して「家庭学習をさせてください」とお願いしても、肝心の家庭に勉強する環境がなければ、子どもが急に勉強を始めるとは思えない。実際に、保護者自身が何らかのアクションを起こすことで、生徒に刺激を与えられるかも知れないと考えたのである。取り組みの効果自体は未知数だが、家庭面からアプローチすることで生徒のモチベーションを高めるという点で、興味深い取り組みと言えるのではないだろうか。
 「教科学習法」による学習方法の見直し、保護者の協力による家庭学習のテコ入れ-。導入期指導の効果を持続させるためには、2年進級時までを視野に入れた取り組みが必要なようだ。


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