ベネッセ教育総合研究所
特集 導入期の集団づくり
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意識啓発を学習行動に転化させる仕掛け
 一方、豊田西高校はこうした意識付けを具体的な学習行動に転化させるための取り組みにも力を入れている。オリエンテーション合宿に「研修」の時間を設け、英語、数学、国語の各教科の予復習の仕方を集中的に身に付けさせる他、長期課題未提出の生徒については、部活や課外活動を休ませてでも、課題をやりきるまで帰さないなど、学習が生活の一部であることを徹底的に意識付けしている。
 「3年間に渡る家庭学習習慣を確立するためには、1年1学期の間に生活習慣そのものを変えていかなければなりません。部活動顧問とも話し合い、学習習慣が身に付くまで徹底的に指導を入れることでコンセンサスがとれています。もちろん、やみくもな強制だけでは効果が上がりませんから、各教科が話し合って、週末課題の分量を調整するといった配慮も欠かせません」(松田先生)
 一方、外部からの動機づけと並行して、「進路シラバス」図2)や「教科シラバス」を作成して、内的な動機づけをも豊田西高校は重視している。
図2
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学校の指導プランが明文化された形で生徒に伝わることは、「先を見越した学習」を行える生徒を育てる上で大きな意味を持つ。それだけに、学年によってはシラバスを更に精緻化したプリントを作り、生徒に配付することも行われている。
 「意識改革に成功しても、そのイメージを具体化できなければ、導入期指導の効果は持続しません。折に触れ進路シラバスや手製のプリントを見せることで、生徒が入学当初の意識を具体的な学習行動に転化できるよう働き掛けています」(近藤先生)


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