u-ラーニング構想で学習環境の充実を図る |
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こうした学習コンテンツの充実と合わせて、学習環境の整備にも余念がない。徳島大では無線LANやPDA、携帯電話等を駆使して、e-ラーニングを発展させた「u-ラーニング」(※2)の構築を目指している。 |
※2 u-ラーニング…uはユビキタスの略。「いつでも」のe-ラーニングの発展系として「いつでも、どこでも、誰でも」扱えるユビキタス技術を駆使した学習システム。 |
従来教室で教員1名と多人数の学生による講義が主だった大学の学習形態を、携帯情報端末の利用により「いつでも、どこでも、誰でも」手軽に講義を受けることができるようにすることで、教員や学生同士による双方向の対話的学びを実現するシステムである(図11)。 |
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「時間や場所に捕らわれないため、効率的な学習が可能になりますが、我々が重視しているのは効率ではなく効果です。学習環境を整備することで、より本質的な教育が可能になり、学生・教員双方が満足できることが大切だと考えています」(矢野教授)
こうした教育改革・学習環境の再構築は、「創成学習」が03年度の「特色GP」に、また「u-ラーニング」構想が「現代GP」に採択されたことからも(※3)、その質の高さが裏付けられている。 |
※3 特色GP(特色ある大学教育支援プログラム)・現代GP(現代的教育ニーズ取り組み支援プログラム)については、本誌04年10月号参照。 |
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大学院重点化により進む異分野交流 |
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教育面での改革と共に、事例(1)の東京工業大と同様に、徳島大においても大学院重点化や学部改組によって、学部横断の体制が取られつつある。
医・歯・薬の各学部の重点化は既に完了しており、06年からは工学部と総合科学部の連携を推進していく。ゆくゆくは医・歯・薬とも連携を深め、医工接合にも踏み込んでいくという。徳島大に限らず、こうした組織変更を進める工学部は多い。これからの工学系学部・学科の統合や組織再編を肯定的に捉え、目指す先を見極める必要があるだろう。 |