ベネッセ教育総合研究所
指導変革の軌跡 栃木県立・栃木高校「進路指導」
栃木県立 栃木高校
栃木県立 栃木高校
2006年に創立110周年目を迎える、栃木県南部を代表する伝統校。高い進学実績を上げ、地域の信頼を得る一方、「独立自尊」「和信敬愛」「進取創造」「質実剛健」を校訓とし、全人教育の推進に力を入れている。
設立●1896年(明治29年)
形態●男子校
生徒数(一学年)●280名
04年度入試実績●国公立大には東京大7名、京都大4名、一橋大4名、東北大26名、筑波大9名など171名。私立大には早稲田大、慶応義塾大、明治大、東京理科大、法政大など延べ439名。
住所●栃木市入舟町12-4
電話●0282(22)2595
URL●http://www.tochigi-h.ed.jp/
岡田修

栃木県立栃木高校校長
岡田修
Okada Osamu
同校に赴任して2年目。「すべての教員が同じ方向ベクトルを持って学校改革が進むような環境づくりに努めたい」

石村博

栃木県立栃木高校
石村博
Ishimura Hiroshi
教職歴30年目。同校に赴任して5年目。進路指導部長。生物担当。「地域の人々が寄せる信頼に応えられる指導を行いたい」

大嶋和彦

栃木県立栃木高校
大嶋和彦
Oshima Kazuhiko
教職歴23年目。同校に赴任して13年目。英語担当。「世の中を良い方向にリードしていける人材を栃高で育てたい」

北原秀紀

栃木県立栃木高校
北原秀紀
Kitahara Hidenori
教職歴21年目。同校に赴任して3年目。数学担当。「生徒を飛躍させられる、大きな『踏み台』になれるよう努力したい」

渡辺佐知夫

栃木県立栃木高校
渡辺佐知夫
Watanabe Sachio
教職歴20年目。同校に赴任して8年目。英語担当。「生徒には栃高の3年間で、新しい自分の可能性を見つけてほしい」

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指導変革の軌跡50
その時教師はそして生徒はどう変わったか
栃木県立 栃木高校 ---------進路指導
一人ひとりの進路実現を教師が全力でサポート


安定した進学実績を生む進路学習指導の継承と発展
 土蔵造りの商家が軒を連ねる歴史の街・栃木市。この地で100年を越える伝統を刻んできた栃木高校は、栃木県南部地域を代表する進学校である。栃木高校の岡田修校長は、地域における栃木高校の役割を次のように定義する。
 「本校に求められているのは、単に進学実績を残すことではなく、社会のリーダーを育てることだと認識しています。本校は校訓として『独立自尊、和信敬愛、進取創造、質実剛健』を掲げていますが、その言葉通り、勉強のみならず部活や課外活動にも全力で取り組む全人教育を推進することが、本校に求められる役割だと考えています」
 生徒に文武両道という高いハードルを越えさせてきた原動力となっているのは、栃木高校の教師たちがかねてから生徒に徹底的に手を掛ける指導を実践してきたことだ。1年次から3年次まで担任の持ち上がりを原則とするなど、栃木高校では生徒と教師の信頼関係の構築を何より大切にしてきた。埼玉県や東京都北部の6年制の中高一貫私立校への生徒の流出を食い止めてきたのは、ひとえにこうした栃木高校の教育方針にある。
 栃木高校の大嶋和彦先生は、その背景を次にように分析している。
 「長年に渡る安定した進学実績は、『進路指導委員会』を中心とした進路指導の充実、3年間を見通した1年次からの面談指導の充実、真の実力を付けるための授業中心主義の3点を実践してきた結果です。しかし、生徒の多様化や大学改革の影響に対応するためには、従来のプログラムの更なる発展が必要であると感じています」
 このような問題意識は、栃木高校の教師たちが共通に感じているものだった。例えば、個々の生徒の進路志望や学力のきめ細かな検討、各大学の学問・研究内容及び入試の特徴の把握が更に必要となってきていることが挙げられる。そこで栃木高校ではその時間を生み出すための工夫を重ねてきた。


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