新課程生が入学してくる06年度が改革の節目 |
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文部科学省の調査によると、カリキュラム改革を実施した大学は02年度までの4年間で、全国公私立大の8割を超える551大学・1345学部に達する(図)。 |
▼図 大学教育改革の実施状況(02年度)
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これほど多くの大学が教育内容の改革に踏み込んでいる背景には、大学教育の大衆化、大学の自己点検・評価及び認証評価の義務化、国立大学法人化による大学経営の構造的な問題などがある。更に、学力やモチベーションの低下、将来ビジョンを描ききれない学生の増加など、多様な学生へのケアが重視されると共に、全入時代に向けた魅力ある大学づくりにより学生を確保しようという危機意識が、一連の改革を促しているのだ(図1)。 |
▼図1 大学のイメージギャップの変化
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こうした動きを、神戸大大学教育研究センターの川嶋太津夫教授は「教員中心から学生中心の大学へのパラダイムシフト」と位置付ける。
「これまでの大学運営は、教員中心で進められてきたきらいがあります。例えば、カリキュラム開発にしても、『学生に必要なカリキュラムは何か』よりも『現在いる教員でできることは何か』という発想で組み立てられてきました。また、91年の大学審答申においては、学部教育の自由な編成を受けて教養教育軽視となったことも事実です。しかし、大学の論理で大学を運営していたのでは、生き残るのは難しい。学生を主体とした教養教育の充実なくして、専門教育の成功なしという危機感が、大学の改革を促しているのです」
更に、大学関係者が危機感を持っている課題が、大学の「06年問題」である。06年度、いよいよ高校3年間を新課程で学んできた学生が大学に入学してくることを踏まえ、学力低下や学習履歴の多様化への対応が大きな課題になっているのだ。
「総合学習などを生かし、自ら学びに向かう態度を高校までに身に付けた学生が入学してくる反面、学生の学力低下に大学関係者は危機感を強めています。本学の大学教育研究センターにおいても、高校の先生方を招いて意見交換を行ったり、兵庫県の高校教育課で県内高校の教育改革の状況を聞いたりするなど、情報収集に努めています」 |