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普通科進学校として突き当たった壁 |
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佐世保南高校において、学校をどう活性化させるかについての議論が始まったのは、00年度から01年度にかけてのことだった。
長崎県は03年度入試から、総合選抜制度が廃止されることが決まっていた。学校としての特色を鮮明に打ち出していかないと、生徒は集まってこない。そこで教師を20代、30代、40代、50代の年齢層別に分けたSI(スクール・アイデンティティ)ミーティングを実施して、佐世保南高校の特長やあるべき姿を議論。また、特色づくりに成功している他県の高校への学校訪問も中川幸久教頭が音頭を取り積極的に行った。そこから浮かび上がってきたのが、「普通科高校らしい普通科高校」という学校像だったという。
進路指導部副主任の山田宗光先生は次のように語る。
「周りの学校を見渡すと、特色を出すために、単位制高校や中高一貫校などに手を挙げようとしていました。そのような中にあって、普通科進学校としての指導を徹底するという姿勢も、逆に特色になるのではないかと考えたのです。本校では、7時25分からの朝補習の実施や課題にしっかりと取り組ませる指導法などが伝統的に根付いていました。カリキュラムや課外の自由度が高い高校も確かに魅力的なのですが、大学進学に向けて学ぶべき基礎・基本をしっかりと身に付けさせる高校も、親や子どもからのニーズが高いはずだと判断したのです」
こうして佐世保南高校は、「普通科高校らしい普通科高校」としての道を選択。03年度には、総合選抜制度が廃止になって初めての1年生を迎えた。
だが佐世保南高校はその年、大きな課題を抱えることになった。佐世保南高校の特長とも言うべき「朝補習」と「授業」がうまく機能しなくなっていたのだ。
「理由は疲弊感。生徒も教師も授業と朝補習をこなすことで手一杯の状態になっていました。いくら量をこなしたところで、『実』が伴っていない。そういう状況に陥っていたのです」(宅島先生) |
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