ベネッセ教育総合研究所
指導変革の軌跡 岐阜県立武義高校「意識改革」
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中高連携事業により授業改善を深化させる
 一連の改革の成果は徐々に数字として表れつつある。
  教師の意識向上や生徒の自宅学習時間の増加については先に述べたが、普通科の進学実績にも上昇傾向が見られ始めた。4月当初の3年生の模擬試験の結果から想定されたほど落ち込むことなく、04年度は13名が国公立大に合格。更に、05年度には名古屋大の推薦入試合格者を1名、名古屋工業大も2名出した(05年2月現在)。「友達や先輩の頑張りに刺激され、05年度の一般入試でも実績が上がるに違いない」との期待も大きい。
  武義高校の改革はまだ緒についたばかり。今後も改革の手綱を緩める気配はなさそうだ。近隣の武儀郡洞戸村立洞戸中学校との連携事業により、更なる授業改善を目指し始めたことは、武義高校の改革が次の段階に進んでいることを物語っている(本誌04年12月号参照)。
  04年末、武義高校の教師数名が同中学校の授業を見学。05年2月には同中学校の教師が武義高校へ授業見学に訪れ、授業終了後には活発な意見交換もなされた(図2)。

▼図2 中高連携授業見学の際の学習指導案(国語)
図2

数学担当として授業を公開した村瀬智先生は「多くの教師が中学校の教科書を研究し、それを基に授業を組み立てていますが、実際に中学校の授業を見ることで、新たな課題や対策も生まれてくると思います。中高連携の動きを更に加速させ、授業改善に役立てていきたいですね」と意気込みを述べる。
  教師・生徒の意識が変われば改革の歯車が回り出す、そんな思いを抱かせてくれる武義高校の学校改革。ちなみに、04年度の反省職員会は、1回のみの実施になるという。理由は「もう先生方が自主的にやってくれるから」(纐纈校長)だ。


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