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教師向け学力テストで意識啓発を図る |
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改革に先立ち、城東高校では渡邊教頭と各分掌の主任4名による「変革プロジェクト」を組織し、トップダウンによる矢継ぎ早の施策を打ち出していった。まず、完全週5日制や授業時数確保のための2期制、7時間授業の導入、総合学習の先行実施など制度面の改革に着手。前述の校名変更と合わせて、00年度中にすべてを完了させた。「一つひとつの案件を職員会で諮るのではなく、すべてトップダウンにより意志決定をしたことが迅速な改革につながった」と、渡邊教頭は述べる。また、02年度には従来の普通コースを廃止し、国公立大を目指す普通科I類(定員50名)、福岡大や西南学院大などの中堅私立大を目指す普通科II類(定員は3類と合わせて300名)、部活動に力を入れる普通科III類を設置し、進学校としてのスタンスを明確にした。
制度変更と共に、大きなウェイトが置かれたのが教師の意識改革だ。特に、01年度から新たに整備された教員研修制度は、指導力向上と共に教師の意識改革を大きく推し進めた。1学年主任で入試広報担当の松尾智晴先生によると「『生徒は教員を選ぶことができないのだから、教師は人間性・専門性を高めていかなくてはいけない』という意識啓発の部分から始めた」と言う。
研修制度は、管理職研修や主任主事研修、教科研修、分掌研修、新任研修など9種類。中でも特筆すべきは、教科指導力の向上を図るために導入された「教科力診断テスト」だ。家庭科と音楽科を除く全教科の教師を対象に、教師の担当教科の筆記テストが課される。実施は年2回、問題レベルは城東高校がメインターゲットに据えた福岡大や西南学院大の入試問題を目安として作成しているという。発案者である総括(校長補佐)担当の村岡雄治先生は、教科力診断テストの狙いを次のように述べる。
「限られた時間の中で解くわけですから、必ずしも満点を取る必要はありません。しかし、教科指導を行う上で常に8~9割の問題を解ける力は必要です。教科指導力の見直しを図ると共に、入試研究に対する意識を高めることができればいいと考えています」 |
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