ベネッセ教育総合研究所
指導変革の軌跡 福岡県・福岡工業大学附属城東高校「進学率向上」
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コンタクト・ウィズが城東高校の生徒指導の基本
 生徒の学力向上を狙った新たな取り組みも、01年度から漸次導入された。授業内容の定着を図る取り組みとして、国数英を中心として毎朝8時からの15分間で実施する「早朝テスト」や、放課後に1~2時間の自習を行う「放課後学習定着の時間」の他、I類においては、高校では珍しい「チューター制」も導入された。チューターは数学2名、国語・英語各1名の計4名で、学年・教科の垣根を越えて担任とタイアップしながら、主に学習指導について、マンツーマンで生徒に助言する役割を負う。I類教師の職員室に常時待機し、早朝テストや休み時間、放課後学習の合間に生徒からの質問を受ける。進学指導主事の大下晴美先生は、チューター制度の意義を次のように述べる。
  「『コンタクト・ウィズ』が本校の基本方針。生徒が頑張っているときは常に教師が傍らにいる。チューターは、主に学習指導の面から生徒の学力や悩みを把握し、担任の補佐をするのが役目です。日々の生徒の変化をつかめるように、チューターと担任を同じ職員室に配置して、日常的に情報交換を行えるようにもしています」
  また、生徒が話しやすくなるように、チューター選任の際は、できるだけ若手を抜擢しているという。そこには、学習指導力はもちろん、個々の生徒が何を考え、何に悩んでいるのか、日々の変化を把握できる力量を身に付けていく若手教師の鍛錬の場としての意味合いもあるのだ。「いずれ担任として、1クラス30~40名の生徒を引っ張っていく指導力を鍛錬する場でもある」と、村岡先生は述べる。
  入試対応の学力を身に付けさせるための「SS(スペシャル・セミナー)講座」「SSS(スーパー・スペシャル・セミナー)講座」も01年度から実施している。「SS講座」は、I類全員とその他のコースの進学希望者を対象に、全学年において毎週土曜日の8時半から13時まで行う補習授業で、英数国の3教科について各科目80分で実施する。「SSS講座」はSS講座とほぼ同様の内容で、長期休業中に実施する補習授業だ。
  「1年生のうちから、比較的解きやすい入試問題を多く取り上げて、生徒に入試意識を浸透させながら、やればできるという自信を与えることが目的です」(大下先生)
  城東高校の生徒は、学習が習慣化できていない者が多いという。自信を与えることで、やる気を持続させることもSS講座の目的の一つなのだ。
▼図1 取り組み概念図

図1


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