Q |
お話をうかがっていると、英語教育が一つの転換点に立っているような印象を受けます。高校で求められる英語力の変化、小学校教育への英語導入といった情勢は、現場の指導手法にも大きな影響を与えるでしょう。今後の英語教育においてはどのような変化が見込まれるのでしょうか。 |
A |
今後の英語教育は、小中高の連続性をより強化する方向に動いていくでしょう。とすれば、今後大切になってくるのは「生徒の発達段階に応じた指導手法を考える」ことではないでしょうか。先ほど、小学生に英語を教える際には、理解力や思考力の発達度を踏まえた指導が必要だと言いましたが、同様のことは中学校や高校についても当てはまります。例えば、高校段階でグループワークやプロジェクトを授業に採り入れる場合に、「単に一緒に作業をさせる」というだけでは効果は望めません。高校生の精神的な発達度を踏まえるならば、仲間との関わりの中で、自分の学習到達度を確認できる仕掛け、あるいは、仮説検証型の学習が可能になるような仕掛けが求められるのではないでしょうか。もちろんその際には、小学校・中学校の教師との連絡を密にし、互いの役割分担を明確にしていかなければなりませんよね。 |
Q |
精神的な発達段階に応じた指導という発想は、確かに高校の授業ではあまり具体化されていなかった印象があります。 |
A |
こうした視点は最近ようやく注目され始めたばかりですが、バランス良く英語力を伸ばしたSELHi校の中には、このような要素をうまく取り入れた指導事例がいくつも見られます。SELHiの指導実践というと、一般校には真似のできないものだと思われがちですが、実際には授業のコマ数が1~2時間増えたこと以外は、一般校とそれほどの違いはありません。先生方の創意工夫によっては、一般校でも大きな指導改善がきっと実現できるでしょう。 |