特集 真の「文武両道」を目指して
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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 「真のエリート教育」を志向する

 いわゆる受験エリート校や高進学率校においては、「受験エリート」でも「スポーツエリート」でもない「真のエリート」を育成するための戦略として文武両道を掲げることが可能だろう。「部活と学習の両立」というよりは、「部活も学習も全力で取り組ませる」というビジョンがこれに該当する。
  欧米の名門校ではこの戦略がとりわけ顕著である。例えば部活動や生徒会活動についても、狭義の心身の鍛練という意味を超えて、社会で指導的地位に就くにふさわしい価値観を身に付ける「紳士教育」の場としての意味が非常に強い。日本では旧制中学の流れを汲む学校でこうした校風が受け継がれているが、それを単なる伝統としてではなく、新たな学校の魅力としてアピールすることは十分に可能だろう。「社会のモデルとなる人材を育成する」ことは国家的な課題でもあり、地域や生徒・保護者には相応の訴求力を持つはずである。



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