特集 真の「文武両道」を目指して
作本耕二

▲広島県立祇園北高校

作本耕二

Sakumoto Koji

教職歴30年目。祇園北高校に赴任して5年目。生徒指導部長。保健体育担当。「生徒は無限の可能性を秘めている。長い人生を見据えて指導したい」

松崎親男

▲広島県立祇園北高校

松崎親男

Matsuzaki Chikao

教職歴27年目。祇園北高校に赴任して10年目。進路指導部長。英語担当。「知力・体力等、生徒のいろいろな能力を最大限に伸ばしてやりたい」

槇田成樹

▲広島県立祇園北高校

槇田成樹

Makita Seiki

教職歴22年目。祇園北高校に赴任して4年目。教務部長。理科担当。「教科やクラブの指導を通して、社会に通用する人間を育てたい」

澤田平和

▲広島県立祇園北高校

澤田平和

Sawada Hirakazu

教職歴23年目。祇園北高校に赴任して6年目。保健体育科主任。保健体育担当。「進路の実現に向け、粘り強く取り組む生徒を育てたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【実践事例1】
広島県立祇園北高校

「武からの学力向上」を目指し部活動を「目標管理」的に運営

「文武両道」を実践論として位置付けるためには何が求められるのか?
取り組みの実践に向けたヒントを、広島県立祇園北高校、
愛媛県立松山南高校の事例から探ってみたい。

「文武一貫」を掲げ進学、部活動に顕著な実績

 05年度で創立23年目を迎える広島県立祇園北高校は、毎年100名を超える国公立大合格者が輩出する、地域を代表する公立進学校である。広島県の「進学指導重点校」でもある祇園北高校は、ここ数年、土曜補習や学習合宿、生徒の進路観育成などに積極的に取り組んできた。私立高校の台頭、総合選抜制度の廃止といった厳しい情勢の中で実績を上げ続けているのは、そうした「文」の面での努力があればこそである。
  だが、忘れてはならないのは、祇園北高校が創立以来一貫して「文武両道」を校是としてきたことだ。特に、運動部の活躍は目覚ましく、インターハイに出場した陸上部、県大会の上位常連の野球部、バレーボール部などは、広島県内でも強豪との評判が高い。陸上部顧問で進路指導部長の松崎親男先生は、そんな祇園北高校の「文武両道」観を次のように語る。
  「『文武両道』と言うと、学習と部活という全く異質なものを、苦労して両立させること、と考えられがちですが、本校ではそうした捉え方をしていません。むしろ、部活と学習を不可分なものとして捉え、『部活があるからこそ勉強にも打ち込める』『勉強で成果を上げるためには部活が必要である』という考え方こそ、『文武両道』の本質ではないかと考えています。一人ひとりの生徒がそう信じて学校生活に打ち込めるようにすることが、本校の指導の根幹です」
  03年度に赴任した金岡俊信校長は、こうした伝統を更に発展させることに、今後の祇園北高校が進むべき方向を見据えている。
  「精神論ではない、実践論としての文武両道を確立することは、今後の公立高校の生き残りを考える上で重要な視点だと思います。そこで、03年度に学校経営計画を作成する際に、本校は根本理念として『文武一貫』というテーマを掲げました。文武両道を更に一歩進め、学習と部活の一体化を図ろうというわけです。カリキュラムや指導プランの改善はもちろん、個々の教科や部活においても、指導の改善に向けて取り組んでいるところです」
  「学習と部活の一体化」を図るべく、祇園北高校はどのような取り組みを行っているのだろうか。以下でそのポイントを整理してみよう。



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