最後に、経済・経営系学部に進学を希望する高校生が大学を選ぶ際の視点について聞いてみた。
「一つはCOEやGPのように、文部科学省が一定の評価を与えて重点支援を行っている大学でしょう。例えば、経営系の分野でCOEの認定を受けているのは、東京大と一橋大、神戸大の3大学だけです。COEに認定されると莫大な研究開発費を得られるため、そこで得た研究成果を教育に還元することで、学部教育の充実を図ることもできるわけです」(神戸大・櫻井教授)
大学・学部選定のもう一つの目安は、各大学・学部が擁する分野別の教員の数を見てみることだ。名前は同じ経済学部・経営学部であっても、大学によって力を入れている分野は異なる。会計学を例に取ると、神戸大における会計学の専門教員は15名と全国の国公立大の中でも多い。会計学を学びたい受験生にとっては目指すべき大学の一つになるだろう。また、滋賀大は大学の規模こそ小さいものの、ファイナンスに力を入れており、そうした特徴は教員数に歴然と表れているという。高校の頃から将来の職種まで見据えている高校生にとっては、こうした情報も一つの目安になるのではないだろうか。
学生満足度を向上させる学部改革、MBAのスタンダード化を模索する大学院改革など、改革を進める経済・経営系学部。一橋大の山内教授は次のように結ぶ。
「現在、日本的経営の変革やグローバル化の進展の中で、日本経済や企業は大きな変革を迫られています。経済や経営をテーマとして教鞭を執る我々自身が改革を身をもって示し、大学の教育や組織を変えていく必要があると思っています」
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